兵庫県神戸市にある「須磨寺」、正しくは「上野山福祥寺(じょうやさんふくしょうじ)」 地元の人には「須磨のお大師さん」と呼ばれ、親しまれています。 平安時代に兵庫県和田沖で引き上げられた聖観世音菩薩像を886年(仁和2年)に聞鏡上人が本尊とし奉祀したのが始まりとされ、源平ゆかりの真言宗の古刹としても知られた歴史あるお寺です。 春になると、参道や境内、隣接する須磨寺公園には多くの桜が咲き誇っています。
また、「源氏物語」第12帖<須磨>には、光源氏が桜を植えたことが記され、原文では、「須磨には、年返りて、日長くつれづれなるに、植ゑし若木の桜ほのかに咲き初めて、空のけしきうららかなるに、よろづのこと思し出でられて、うち泣きたまふ折多かり。」と書かれています。 現代訳にしてみると「須磨は年も改まり、日が長くなって退屈な時を過ごしている頃に、植えた若木の桜がほのかに咲き始め、空も晴れ、日が柔らかくなるにつれていろいろなことを思い出し、泣くことが多くなった。」ということでしょうか。
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