養父市で繁殖牛を育てながら、自家製天然酵母を使ってパンを焼いている「手づくりパン工房こうめや」の大封香代子さんにお話を伺いました。
夫の留学を機にヨーロッパの農村の暮らしに触れて、牛を飼い野菜を作り加工食品も自家製にこだわる、明るく楽しい農家生活を実現したいとの夢がふくらみ、但馬牛を飼いたい夫と、平成10年に憧れの但馬(養父市)に移り住みました。
現在、2か所の牧場で但馬牛75頭を飼養し、但馬農業高校卒業の女性を含め、3人の女性を雇用しています。 また、趣味でパン作りをしていましたが、牧場の経営をするなかで、生産者の顔がわかるような安心な原料による食品製造の大切さに気付いたこともあり、平成15年9月に「手づくりパン工房こうめや」を開業。自家製天然酵母に、地元の食材と国産小麦100%を合わせたパン作りを始めました。
平成22年には「第1期ひょうご農業MBA塾」を受講し、同塾同期の但馬の稲作生産者と「ひょうご農商工連携ファンド」を活用し、コウノトリを育む農法で栽培したコシヒカリを炊いたご飯と国産小麦を原料とした「こめっとパン」を商品化。 「こめっとパン」はアグリフードEXPOに出展したことをきっかけに、豊岡市のホテルの朝食に採用されることにもなりました。
また、養父市女性農業者グループ「七つぶの種」、生活研究グループ「わくわく食農くらぶ」、養父市女性農業者ネットワーク「てんこもり母ちゃんの会」の運営など、活動の幅は年々広がっています。 今後は、手作りのパンに三線を抱えて、音楽ユニット「KOUME+」(コウメプラス)と人を飽きさせないトーク力で、兵庫県内をはじめ各地で精力的に活動し、地域の担い手を育てる人材育成と地域活性化をめざしています。

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