太子町岩見構下地区は太子町西部に位置し、南西を流れる揖保川の沖積作用によって平野が形成された良質な土地を有し、農耕の発展と共に栄えてきた地域です。 しかし、「耕作放棄地の増加」、「後継者不足」、「高齢化による労働力不足」などが発生してきたため、地域内で討議を重ねました。 その結果、1.生産組合の法人化、2.農地中間管理機構を活用した農地の集積・集約、3.ほ場整備による農地の大区画化、4.大型農機の導入などに取り組むために、平成27年4月、農事組合法人を立ち上げました。 平成29年には、当地区の農家を中心とした91戸、26.8haのほ場整備計画が採択され、本事業完了後は、農地の集積率90パーセント以上、一筆当たり農地面積も約1haとなり、大幅な農作業の省力化が見込まれています。 取材当日は、完成した第一工区(4.6ha)において、GPSを搭載した直線キープ機能付田植機による田植えが行われました。 代表理事の下村正文氏は、「この田植機を使うことにより、田植えと同時に施肥と除草剤散布が行えるので、作業効率が格段に向上する。」と話され、田植えのスピードもさることながら、作業の効率化に目を見張るものがありました。 後継者問題は、当地区では会社勤めをしている将来を担う若者が休日を利用して農作業の経験を積んでいます。 その中には、経営に向いた人、機械に詳しい人などがおり、適材適所で役割分担をしてもらっています。 「この地域は有り難いことに人がいる。農家でも会社員でもいい。営農組合が集落の方の定年後の第2の職場として考えて頂けたら。その人材を活用して農地を次の世代に良い形で残していきたい。身の丈に合った、集落に合った取り組みを今後もやっていきたい。」と下村氏は強く語っておられました。
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