南あわじ市榎列で、水稲、玉葱、レタスなどの野菜を栽培されている、野口ファーム 代表 野口 俊さん(35歳)にお話を伺いました。
結婚を機に淡路島に戻り、宿泊施設の仕事に就いていましたが、「もっとやりがいを感じたい!」と悩む折、颯爽とトラクターに乗る叔父の笑顔と、仲良く農作業を営む叔父夫婦の姿に「コレやっ!」と平成23年9月に就農を決意。 しかし、農業の知識や経験が全く無く、選んだ手法がベテラン叔父夫婦の農業を完全に真似ることで、80aの農地でのレタス、玉葱栽培から農業がスタートしました。 農業が軌道に乗り始めた3年目、ふと気になることが…。「農家の子どもなのに野菜を食べない」 そこで妻の発案で、子どもと一緒に野菜を育ててみようと。まずは一番苦手なトマト。種まきから水やり、すくすく育つトマトに子どもたちは興味津々。そして一緒に収穫。なんと、自分で育てたトマトをパクパクと食べるように! また別の日には、兄弟でトウモロコシをほおばるも、一口だけ食べて放置されているトウモロコシが。子どもたちは、「おいしい」と「おいしくない」を自分の味覚で分けていたのです。 この出来事がきっかけで、形や規格重視の農業から、子どもたちが「おいしい」という野菜作りにシフト。おいしい野菜で全国の子どもたちを笑顔にする「mama-yasaiプロジェクト」が誕生し、今では40種類ほどの野菜を育てています。
今後は、おいしいというものにフォーカスをしながらも、体験や食育に力を入れ、20年後の次世代農業を担う子どもたちに、収穫作業などを通じて、1人でも多く農業の素晴らしさを知って貰い、その体験が後々の農業の発展に繋がっていくことを願っています。
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