美方郡新温泉町で、兵庫県立但馬牧場公園を拠 点に「スキー場」、「飲食業」、「宿泊業」を経営し、平成26年から農業に参入した株式会社湯村温泉愛宕山(あたごやま)観光代表取締役の西坂修さんにお話を伺いました。
同町照来(てらぎ)地域には、7地区の営農組合があり、米づくりが行われていましたが、生産者の高齢化や後継者不足等により耕作放棄地が年々増加し、棚田の農地等をいかに守っていくのかが課題となっていました。 盆地で寒暖差がある照来地域は、きれいな水が 流れ込み、棚田でつくった米は、市場でも高く評価されていることから、自社で栽培した米を宿泊施設やレストラン等で使用するため、60aのほ場で、米づくりを始めました。
当初は、米づくりの経験がないところから始まり、農業参入に対して、地域の方からは疑心暗鬼の目を向けられていましたが、米づくりを重ねるにつれ、信頼を得たことから、地元の営農組合や放牧組合とも連携を深めて、現在、作付面積は、8.6haの水田で米づくりを行っています。 今後は、さらに高齢化や後継者不足が進み、耕作されない農地が大幅に増 えることが確実であり、預かる農地を数倍にも拡大し、米づくりを行うことを考えています。 現在、米づくりのみとなっていますが、今後は、日本農業遺産にも認定された美方地域の但馬牛の子牛生産をする施設等の環境整備を行い、就農者の支援をしていきたいと考えています。
~~~~~「地域おこし協力隊」が頑張っています!~~~~~
新温泉町では、平成27年度より、魅力あるまちづくりの実現や地域に活力を与え、活性化に取り組む「地域おこし協力隊」を非常勤嘱託職員として3年間採用し、任期後は、起業することとされています。 退任後の協力隊員は、生活を確保できる環境は十分に整っていないことから、少しでも不安が取り払えればと思い、安心して仕事ができる場として、株式会社湯村温泉愛宕山(あたごやま)観光も協力隊員を支えています。 「地域おこし協力隊」の一期生として3年間の研修を経て、今年の4月から畜産農家として独立された、村田瑞樹さんを直撃しました。
大阪市の出身で、小さい頃はイルカのトレーナーになりたかったのですが、農業大学校時代に出会った但馬牛に魅了され、新温泉町の制度を知り、協力隊員に応募し研修を受けました。 独立後は自力で生活費をまかなわないといけないので、現在は自分の畜産肥育以外に先輩畜産農家の手伝いや湯村温泉愛宕山観光での経理事務、そして米づくりにも挑んでいます。 Iターンで同町に来た頃は、「地域おこし協力隊」という名前に重圧を感じた時期もありましたが、周りの方々に支えられ毎日楽しく作業をしています。
将来は、資格をたくさん取得し、但馬牛の繁殖から肥育、加工、そして同公園で提供できるようになればと笑顔で語ってくれました。
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