水稲の再生二期作現地レポートVol.2 ~一期作目の刈取りの高さ~
京都府立農芸高等学校農業生産科作物コース(南丹市)
「二期作目のために高く刈りたいけれど、一期作目の収穫ロス(刈りムラ)は減らしたい。」
そんな水稲の再生二期作の難題に、京都府立農芸高等学校農業生産科作物コースの生徒たちが日々挑んでいます。
使用するのは、一般的な農家で使用される「自脱型コンバイン」です。
特別な機械を使わないからこそ、将来の地域への技術普及に貢献します。
未来の農業を担う高校生たちの、実践的な実証研究を取材しました。
(取材:2026年8月)

刈取りには自脱型コンバインを使用
一期作目の刈取りの高さ
同校が取り組む再生二期作は、一期作目の収穫後に残された株から発生する「ひこばえ」を育成し、年2回の収穫を目指す先進的な試みです。
今回の実証研究で大きな壁となるのが、使用する「自脱型コンバイン」が本来、地面近くを刈るように設計されているため高い位置での刈取りが苦手である点です。
刈取りの高さが低すぎると「次の芽が出ない、育たない、最悪の場合は株ごと枯れてしまい、二期作目が失敗する」ことになります。
だからこそ、生徒たちは自脱型コンバインの構造上の限界に挑みながら、高く刈ることにこだわっています。
刈取り後の株の長さを確認
刈取り高さの調整
コンバインの運転席からは刈取り後の稲の高さを確認できないため、運転担当以外の生徒たちはすぐに稲の高さを計測し、その結果を運転担当の生徒へ共有します。
運転担当の生徒は共有された結果をもとに、随時微調整を行います。
操作は全て運転席のレバーによる手動コントロールであり、常にシビアな調整が求められます。
息の詰まるような緊張感の中、生徒たちは最適なバランスを見つけようと細心の注意を払いながら、ハンドルを操作していました。

コンバインで刈取れなかった稲を数える
「二期作目の成果」と「一期作目の収穫ロス」
自脱型コンバインは、一定の長さがある稲を刈取ることを前提に設計されています。
高く刈ろうと刈取り部を高く上げすぎると、稲の稈長(背丈)が短い場合、稲の穂先を十分にキャッチできず、そのまま踏み潰したり、刈り残して田んぼに置き去りにしてしまう収穫ロスが発生しやすくなります。
二期作目のために高く刈りたくても、一期作目の収穫ロスが増えては本末転倒です。
そこで、どの高さで刈ればどれくらいロスが発生するかを確認し、一期作目のロスを最小限に抑えられる最適な高さを常に探りながら作業を進めました。

試験区域
一期作目の刈取りの高さと二期作目の生育の関係
一期作目の刈取り高さが二期作目の生育に与える影響を明らかにするため、試験区を設けて実験を行います。
実験では、刈取り高さを段階的に変えて一期作目を刈取り、その後に伸びてくる二期作目の生長プロセスを詳しく比較していきます。
自脱型コンバインの課題である「一期作目の収穫ロス」を最小限に抑えつつ、「二期作目の収穫量」を最大限に引き出せる理想の高さを突き止めるため、生徒たちは日々、生育状況の緻密なデータを収集し、先輩たちがこれまで蓄積してきた貴重なデータとかけ合わせながら、検証を重ねていきます。
水稲の再生二期作現地レポートVol.1 については、こちらをご確認下さい。
水稲の再生二期作現地レポートVol.1 ~一期作目の刈取りと二期作目への準備~:近畿農政局
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