「中田の棚田再生プロジェクト」による5年目の米作りが始まりました!(紀美野町)
「中田の棚田再生プロジェクト」は、地域住民が主体となった活動で、荒廃した棚田などを再生し、太陽と水と大地の力だけで農作物を育てる「自然栽培」により、お米や野菜が育てられています。
4月27日(土曜日)の作業日に、棚田再生プロジェクトチーム関係者、棚田サポーターズのメンバー、和歌山大学観光学部地域連携プログラム(Local Partnership Program、LPP)の大学生など9名が参加して、棚田米の育苗作業が行われ、棚田再生プロジェクトによる5年目の米づくりが本格的に始まりました。
全自動播種機を活用して、うるち米「朝日」250枚、もち米「神楽餅(かぐらもち)」15枚の苗箱に播種を行い、苗代(なわしろ)に敷いた根切りシート(注1)の上に苗箱を並べ、水やり後にアルミ蒸着シートを被覆しました。
時々小雨が降る中の作業でしたが、昨年の反省を生かし、播種機を苗代の近くに設置するなどの工夫と、参加者のチームワークが発揮され、予定どおり昼頃には作業が終了しました。
また、5月1日(水曜日)の作業日では、「中田の棚田」の水源の一部であり、歴史的に貴重な土木遺産でもある「竜王水(注2)」の清掃作業が行われ、用水も確保できました。
令和6年産の棚田米は、昨年の80aに復田した50aを加え、合計1.3haの作付けを目指しており、今年の田植えは、6月1日(土曜日)、2日(日曜日)に予定されています。参加申込等の詳細については「中田の棚田 田植えイベント2024」のホームページをご確認ください。
(注2)竜王水:竜王水は、中田地区の棚田とその隣にある梅本地区の棚田の一部を灌漑する用水路です。この用水路は長さ約600mで、手掘りの溝とパイプ管によって構成されており、生石ヶ峰の豊富な谷水を中田地区、梅本地区へと導水しています。竜王水が記録されている最古の文献は1848年に記された「立岩大聖不動尊縁起(たていわたいせいふどうそんえんぎ)」であり、この記録から約200年間、地域の水資源を支えてきた貴重な土木遺産であることがわかります。 (中田の棚田再生プロジェクトホームページより引用)
「中田の棚田再生プロジェクト」
https://kiminoriceterrace.com/
昨年の様子はこちらから
https://www.maff.go.jp/kinki/tiiki/wakayama/photo/img/202304nakatanotanada/nakatanotanada.html

「中田の棚田」では本田への移植時に活着が早くなるようにポット育苗が行われています。このポット育苗に対応した全自動播種機の活用により、育苗作業が大幅に効率化されています。また、苗代の近くに播種機を設置することで、苗箱の運搬作業も省力化されました。

苗代に敷いた根切りシート。このシートの上に苗箱を並べて置きます。

昨年は、裸足で泥だらけになりながら作業をしましたが、コンパネをカットした踏板を苗代に置くことで、苗箱の運搬・設置、水やり等の作業がスムーズに進みました。

作業当日は風が弱く、アルミ蒸着シートの被覆作業がはかどりました。
アルミ蒸着シートは遮熱性、夜間の保温及び防乾効果のあるシートです。

「竜王水」では、参加した棚田再生プロジェクトチーム関係者、棚田サポーターズのメンバー14名が2班に分かれて清掃作業を行い、水路にたまった多量の杉の葉、枝などを取り除きました。

土砂が流入し、水が流れなくなったところは、たまった土砂を取り除き、石を積み上げ修復し、元の水路に水が流れるようにしました。

清掃作業により、「竜王水」に水が勢い良く流れるようになりました。
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