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近畿農政局

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新たな取組み ~未利用資源を活用!「畑にできたものすべてが宝物」~

和歌山県 紀の川市 「まつばら農園」松原 好佑さん 

松原好佑さんは紀の川市で約120年続く農家の6代目の「まつばら農園」の代表です。以前もこのコーナーでご紹介させていただきましたが、新たな取り組みを始められたということでご紹介させていただきます。

以前の取材内容はこちら
https://www.maff.go.jp/kinki/tiiki/wakayama/torikumi/img/202301matsubara/matsubara.html





    松原さんは、SDGsの潮流の中、「人や地球にやさしい」商品やサービスを選び抜き、社会性と商品性の両面から評価・表彰する「ソーシャルプロダクツ・アワード※1 2025」においてソーシャルプロダクツ※2賞を受賞されており、今後の活躍がますます期待される農業者の一人です。

    ※1一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会(APSP)が主催する持続可能な社会の実現につながる優れた「ソーシャルプロダクツ」に光をあて、社会性と商品性の両面を評価する日本ではじめての表彰制度
    ※2企業および他の全ての組織が、生活者のみならず社会のことを考えて作りだす有形・無形の対象物(商品・サービス)のことで、持続可能な社会の実現に貢献するもの。


    この賞の受賞のきっかけとなった取り組みをご紹介します。

    【プロジェクトで開発した一筆箋】


    その取り組みは、「のうかのしゅくだい※3」というプロジェクトです。「畑において廃棄される(畑のロス)果実を何とか利活用できないかと始めたこのプロジェクトは、紀の川市の主要な栽培作物であるうちの「柿(収量の約3%廃棄)・キウイ(約3%廃棄)・イチジク(約30%廃棄)」は特にジュースなどの加工に向かず廃棄量が多い状況となっている現状を変えたいと取り組んだそうです。

    このことに目を向け、「捨てているものにお金をかけて新しい価値のあるものに作り替え、捨てられないものを作ろう」と、一筆箋(いっぴつせん)を作っています。コンセプトは「もったいない!をもっとない?」へ。今後は名刺や賞状の作製も検討しています。
    和歌山県は「フルーツ王国」でありながら「廃棄王国」であるという事実、実際の廃棄量等は現場の人間にしかわからない部分。まさに「農家の課題」として発信し、自分たち農家での解決を目指して考えていく必要性を感じており、今後は既にジャムやドライフルーツを作っている農家も巻き込んで「のうかのじゅくだい」に取り組む農家を増やしていきたいと話されていました。

    ※3のうかのしゅくだい:フルーツ王国と言われるこの地域の未利用資源を「のうかのしゅくだい」と捉え、魅力ある宝物にアップサイクルしていく共創型のプロジェクト


    また、以前取材させていただいたカフェを併設した農産物直売所「BIRDCALL FIELD」と「ブル―ベリー観光農園」の運営状況についてもお伺いしました。



    「BIRDCALLFIELD」は現在休業中ですが、直売所前にあるブルーベリー観光農園(ハウス20a、ポット栽培で雨天時も営業可能)と併せて再開する予定です。再開時期は未定ですが、ブルーベリーの収穫期である6月から8月の間を予定しています。


    【BIRDCALL FIELD】

    「ブルーベリーの収獲=暑い」で終わらせるのではなく、観光農園に来られた方の満足度を上げるためにも直売所の営業は必須だと考えています。

     

    収穫体験など農業への関わりから、農業に興味を持つ方が増えることにより、就農者が増える可能性に期待しているため、「BIRDCALL FIELD」を通して体験系のコンテンツを増やしていきたいと思っています。
    また、ブルーベリーのほかには、自宅周辺の柿についても、今後収穫体験などを行っていきたいと考えており、一昨年から照会があれば、随時受入れていますと熱く語ってくださいました。


    まつばら農園:https://matsubarafarm.com/
    BIRDCALL FIELD: https://www.instagram.com/birdcall_field/

    (取材日:令和7年5月20日)

    お問合せ先

    近畿農政局和歌山県拠点

    ダイヤルイン:073-436-3831