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沖永良部島の農業

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主要作物の歴史と発展

1.さとうきび 

    17世紀に奄美大島に製糖の技術が普及し、沖永良部島には1820年頃にさとうきび産業として伝わったとされています。その後、薩摩藩による奄美諸島に対する経済政策は、黒糖(さとうきび)生産を軸に展開され、沖永良部島においてもさとうきび生産が拡大しました。その後、第二次世界大戦に入ると、さとうきびの作付面積や産糖量は急激に減少しました。1953年(昭和28年)に奄美諸島が本土復帰した後は、奄美復興に向けた法整備により、さとうきびの生産力の増強が図られました。そして、さとうきびの品種改良や製糖技術の向上からさとうきび生産は発展してきました。

 

2.テッポウユリ

    テッポウユリは、元来自生種(野百合)でしたが、1899年(明治32年)にイギリス人貿易商人バンティングにより見出され、ユリ球根栽培が開始されました。1902年(明治35年)にエラブリリーとして欧米に輸出を開始し、現在でもクリスマス等での必需品として多くの国に愛されています。テッポウユリは当時の貴重な外貨獲得手段となり、1911年(明治44年)当時、植物輸出総額の7割がテッポウユリであり、鹿児島県産はその中でも重要な位置を占めていました。戦後、栽培技術の発展や流通ルートの確保などを通じて、切り花栽培が成長してきました。現在は切り花が主流となり、球根とともに島の主要な農作物となっています。

     ユリに対する島民の思いは民謡「えらぶ百合の花」として、現代まで謡い継がれています。

 

民謡「えらぶ百合の花」(抜粋)

○  永良部百合の花  アメリカに咲かち  ヤリクヌ  うりが黄金花島によ  咲かさ

(永良部のユリの花をアメリカで咲かそう  ヤリクヌ  (代金の)黄金の花を島で  ヨー  咲かそう)

○  いかに横浜ぬ  波荒らさあてぃむ  ヤリクヌ  百合は捨てるなよ  島ぬよ  宝

(如何に横浜の波が荒くても  ヤリクヌ  ユリは捨てるなよ  島の  ヨー  宝)

○  百合は島育ち  吾きゃむ  島育ち  ヤリクヌ  互(たげ)に色揃(いろすり)て  咲ちゅてよ  暮さ

(ユリは島育ち  私たちも島育ち  ヤリクヌ  お互いに色を揃え  咲かせて暮らそう)

資料:沖永良部民謡集  知名町中央公民館  1964

沖永良部民謡について  鹿児島女子短期大学附属南九州地域科学研究所  1998年度版 

 

3.その他の作物 

    大正時代後半に温暖な気候を利用して米の二期作を行っていました。1965年以降、水田転換や区画整理等の事業が導入されるとともに、水稲耕作をやめてさとうきび、ばれいしょ(じゃがいも)に農作物を転換しました。その中でキクやユリ、ソリダゴに代表される園芸作物が市場で高い評価を獲得しています。しかし一方で、水不足や水資源確保のための生産者の労力・資金負担は大きくなりました。

    1980年代には戦後の食を中心とした需要に加えて、花きや工芸作物への需要が増加し、さとうきびや葉たばこ、花きなどの農作物生産額が増加しました。

    現在は、さとうきび、ユリ以外に、キク、ばれいしょ(じゃがいも)、サトイモ、インゲン、ゴーヤ、葉たばこ、肉用子牛などの生産が展開されています。

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水の確保と台風との闘い

    沖永良部島では水資源の確保が難しく、農業用水は湧水・ため池・天水等に依存してきました。
    水資源の確保のため、江戸時代からため池開削が行われ、明治初期には59箇所、現在では100箇所以上(1km2に1箇所以上の割合)のため池がつくられています。

    それらのため池の中で、「松の前池」は、ため池百選に選定されています。

 

松の前池(ため池百選)

松の前池(ため池百選)

ため池百選(農林水産省ホームページ)へのリンク

    また、台風により、家屋だけでなく農作物もたびたび大きな被害を受けています。

 

2001年10月17日台風21号による塩害(さとうきび)

2004年8月30日台風16号による塩害(さとうきび)

2001年10月17日台風21号による塩害(さとうきび)

2004年8月30日台風16号による塩害(さとうきび)

2011年5月27日台風2号による塩害(葉たばこ)

2011年5月27日台風2号による塩害(サトイモ)

2011年5月27日台風2号による塩害(左:葉たばこ、右:サトイモ)

 

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現在の姿

    島全体が平坦で農耕地に恵まれ、全体の48%が農地であり、そのほとんどが畑地です。
    また、農業産出額は年間約113億円と、島の基幹産業になっています。奄美群島で農業産出額は約300億円であり、沖永良部島の農業産出額はその約3分の1を占めています。

    農業を仕事とする人の割合も、全国が4%であるのに対し、沖永良部島では33%と非常に高い状況です。
    農業が盛んな本島では、さとうきびを基幹作物として、花き、野菜、葉たばこ等の耕種作物に肉用牛を組み合わせた複合経営が行われています。

    今後とも、畑作物の収量の高位安定と花きなど収益性の高い作物の生産拡大が期待されます。

 

沖永良部島の土地利用率(平成22年)

沖永良部島の作物別作付面積率

沖永良部島の土地利用率(平成22年)

沖永良部島の作物別作付面積率(平成22年)

沖永良部島の農業産出額(平成22年)

 

沖永良部島の農業産出額(平成22年)

資料:奄美群島の概況(平成22年度)

全就業者数における農業就業者数の割合(平成17年)

全就業者における農業就業者数の割合(平成17年)

農作物の種類

 

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かごしまの農林水産物認証制度

    鹿児島県は、生産者の安心・安全な農産物を生産する取組を消費者に正確に伝え、鹿児島県産農産物に対する消費者の安心と信頼を確保するため、安心と安全に関する一定の基準を満たす農産物を認証しています。

沖永良部島での認証状況
    沖永良部島では、6種類の作物が認証されています。温暖な気候を活かし、他の産地との競合を避けつつ、沖永良部産のブランド化を推進中です。

    1.ばれいしょ(じゃがいも)「春のささやき」(和泊町、知名町)

        収穫量の約8割を占める北海道産は9~10月の収穫です。

        2月中旬に全国に先駆けて収穫される沖永良部産の新ジャガは「春を告げる食材」となっています。

        平成7年にかごしまブランド産地に指定されています。

 

「春のささやき」(ばれいしょ)

「春のささやき」(ばれいしょ)

    2.サトイモ(和泊町、知名町)

 

「石川サトイモ」(サトイモ)

「石川サトイモ」(サトイモ)

    3.実えんどう(知名町)

    4.さやえんどう(和泊町)

    5.いんげん(和泊町、知名町)

    6.にがうり(和泊町、知名町)

「かごしまの農林水産物認証制度」(鹿児島県のホームページ)へのリンク

 

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お問合せ先

沖永良部農業水利事業所

〒891-9214   鹿児島県大島郡知名町知名85番地

Tel 0997-93-1850   Fax 0997-93-0408

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