第7回選定結果(令和2年11月5日)
東海農政局版優良事例として5地区及び2名を選定しました
東海農政局では、「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」(第7回選定)に応募のあった80地区及び10名から、東海農政局版の優良事例として、次の5地区及び2名を選定しました。
5地区及び2名の概要を紹介します。
団体部門
- 特定非営利活動法人 活(かつ)エネルギーアカデミー(岐阜県高山市)
森林の環境保全と里山の暮らしを次世代に継承することを目的に、間伐、未利用材搬出を木の駅プロジェクトとして活動しています。平成27年から令和元年で間伐材の年間伐採本数は1,298本から7,829本に増加しています。
高山市認証の物流システム(積まマイカー)の構築や、地域経済の活性化を目的に銀行決済協力の地域通貨enepoを運用し、森と里と市民生活を結ぶ手法と位置づけて活動しています。
集材トラック 積まマイカー
- 加子母木匠塾(かしももくしょうじゅく)(岐阜県中津川市)
平成7年に建築系の大学教授が中心となり「加子母木匠塾」の活動を始め、大学生が夏休みの約2週間を利用し木造建築を実習しています。ここ数年は8大学が参加しており、また昨年は設立25周年を迎え、延べ4千人以上の学生が木造建築に真剣に向き合っています。
日本の伝統的な木造建築の技法を学ぶとともに、トマトの収穫や郷土料理の朴葉寿司づくりの体験など、農山村の現状を考えるきっかけとなる体験メニューも織り交ぜながら実施しています。
完成した福崎公園バス停
- 愛知県立安城農林高等学校(愛知県安城市)
国内に2パーセントしかいない純国産鶏「岡崎おうはん」を活用したプロジェクトを立ち上げ、三河の養鶏業・農業の魅力を全国に発信しています。令和元年4月には岡崎おうはんの知名度向上のため、卵黄を白色にした「ホワイトおうはん」の開発に成功しました。
「岡崎おうはん」を普及する団体と連携を図り、普及を事業化している岡崎市と官学連携に関する包括協定を締結し、6次産業化の充実を図っています。
岡崎市との官学連携協定調印式の様子
- スリーシーズ合同会社(愛知県大府市)
令和元年に古民家をリノベーションして、農家カフェ「はたけぞく」を開業し、自然栽培の野菜や米に自作の発酵調味料を用いた料理を提供しています。また自然栽培米と麹を原料に、平安時代に由来する仕込み方法でどぶろくの醸造・販売を行っており、500年以上の歴史を誇る大府市どぶろく文化の新たな担い手となっています。
畑での体験農園などのイベントの開催や、令和元年からは市内の福祉事業所の施設外就労を受入れ、農福連携を実施しています。
食べるどぶろく
- いがまち山里の幸(さち)利活用組合 かじか(三重県伊賀市)
平成21年から鹿肉の利活用に取り組み、平成24年に地元猟友会と連携して「いがまち山里の幸利活用組合 かじか」を立ち上げ、獣肉利活用の活動を本格化しビジネス展開を開始しています。令和元年のジビエの売上は1千万円以上となっています。
捕獲や解体処理技術、徹底した衛生管理の取組を多くの担い手に伝えるため、三重県内の解体処理事業者等に対し、現場視察の受入れを行い技術指導に取り組んでいます。
小売店でみえジビエ加工品販売
個人部門
- 三島 真(みしま まこと)氏(岐阜県郡上市)
都会の小学生の子どもたちを対象に、平成9年度から自然体験旅行「冒険キッズ」の取り組みに尽力されています。参加人数は平成15年以降、年平均4から5千人となっており、これを契機にインストラクター20人が移住・定住しています。
郡上市明宝地域と都市を太いパイプで結ぶことを目的に、平成27年度には明宝ファンクラブ「明宝ふるさと家族」(平成30年度に「明宝ふるさとクラブ」に改名)を結成して、地域活性化に貢献されています。
夏の冒険キッズ 川遊びの様子
- 杉田 雅子(すぎた まさこ)氏(愛知県豊田市)
平成17年に農業に参入され、遊休農地70aを借受けてブルーベリーを植付け、管理を開始しています。15年間で農園40カ所、4.2ヘクタールまで拡大し、観光農園には約1,500人が来場しています。平成24年からはジャムやケーキの加工販売をする直販店をオープンし、7から8月で15,000人が来店しています。
地元小学校でのふるさと発見授業は13年目、地元中学・高校の職場体験は12年目を迎え、それを経験した子どもたちを含め10人の雇用が創出されており、このうち20から30歳代の割合は50パーセントとなっています。
豊田市栄養教諭と食育授業
全国選定で東海農政局管内から3地区及び2名が選定されました
内閣官房及び農林水産省は、令和2年11月4日(水曜日)に「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」有識者懇談会を開催し、全国で28地区及び4名の優良事例を選定しました。
東海農政局管内(岐阜県、愛知県及び三重県)からは3地区及び1名が選定され、「岐阜県立岐阜農林高等学校 流通科学科」がグランプリを受賞しました。
3地区及び1名の概要を紹介します。
団体 コミュニティ部門
- 岐阜県立岐阜農林高等学校 流通科学科(岐阜県北方町)
地域農家にGAP認証のノウハウを公開するなどの支援を行い、農家のGAP認証取得に貢献しています。平成29年度から令和元年度の間で、GAP認証活動面積は2.5ヘクタールから63ヘクタールに拡大しています。
また、官民一体となり、オリパラのホストタウンとしてGAP食材を使ったおもてなしを企画し、GAP認証の柿によるパスタ開発、品質管理を徹底した新品種米の普及などを行い、農林水産省、内閣官房のコンテストなどでさまざまな賞を受賞しています。
カナダ人への「神前結婚式」のおもてなし
- 榎前(えのきまえ)環境保全会(愛知県安城市)
「福祉」・「防災」・「環境」をコンセプトに地域内のふれあい活動を平成14年より始め、平成18年には水田魚道を設置、平成19年に農地・水・環境保全向上対策(現・多面的機能支払交付金)の活動組織を設立しました。
魚道観察会や季節の祭りなどを開催し、毎年300から400人が参加しています。また減農薬米「どじょうの育み米」をブランド化し、消費、防災用備蓄の他、米粉入りパンに活用しています。
水田魚道観察会 大人も子供も興味津々
団体 ビジネス部門
- 桑名もち小麦協議会(三重県桑名市)
小麦卸売、地元農家、パン屋による「桑名もち小麦プロジェクト」を平成21年に立ち上げ、その後本格的な普及を目指すため、平成29年に県、市、商工会、JAの連携により「桑名もち小麦協議会」を設立しました。もち小麦の出荷量はこの4年間で6トンから15トンに、使用する飲食店は10店から50店に増加しており、首都圏や台湾でも販売しています。
地元高校生と共にアンテナショップのメニュー検討や、麦を使ったストロー生産を特別支援学校と連携するなど、教育や福祉との連携にも取組んでいます。
地元特別支援学校の生徒による昔ながらの麦ストローづくり
個人部門
- 髙橋 幸照(たかはし ゆきてる)氏(三重県多気町)
地域の独居老人の増加や農家の高齢化、後継者不足が進む中、福祉活動のための一般社団法人「ふるさと屋」や、農地の利用集積などを目的とした農事組合法人「元丈の里営農組合」の立ち上げに貢献されました。
米粉パン、日本酒などの6次産業化を推進し、イベントなどを企画。あじさいまつりは1日1万人の人出となるイベントに発展しています。また特産品や米粉パンの売上は年間250万円を超え、地域活性化にも貢献されています。
立梅用水の歴史を伝える髙橋さんの紙芝居
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農村振興部都市農村交流課
担当者:表彰事業等担当者
代表:052-201-7271(内線2528、2572、2571)
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