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東海農政局

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地域で活動する多様な主体との意見交換会(岐阜県会場)(令和6年3月8日)

東海農政局は、地域で活動する多様な主体の皆様と、食品ロスの削減、食品アクセス問題について、意見交換を実施しました。

日時

令和6年3月8日(金曜日)13時30分から15時00分

場所

東海農政局岐阜県拠点(岐阜県岐阜市中鶉2-26)

出席団体等

消費者ネットワーク岐阜
全岐阜県生活協同組合連合会
特定非営利活動法人 フードバンクぎふ
一般社団法人 こどもがセンター
厚生産業株式会社
生活協同組合 コープぎふ
岐阜県 農政部 農産物流通課(欠席)
(順不同、敬称略)

主な内容

1.各団体の活動等について

消費者ネットワーク岐阜(消費者団体)

消費者被害の未然防止、自立した消費者の育成、消費者問題に関わる横のつながりの強化、地方行政に提言という4つの目標を持って活動しています。
食品ロスに関する活動は、高校生向けのWeb教材(SDGsとエシカル消費)を作り、食に関する啓発を行っています。また、メンバーの生活学校連絡会では、こども食堂やフードバンクの活動に積極的に関わっています。

全岐阜県生活協同組合連合会(消費者団体)

全岐阜生協連は、県内の7つの会員生協(地域、職域、共済、医療)に51万世帯が加入する県内最大の消費者組織です。
中期計画の中で重点課題として「防災・減災」、災害時の被災者支援(災害ボランティア活動)への対応力、社会的課題に対し、県内のさまざまな組織とつながりや支援の輪を広げることを掲げています。

特定非営利活動法人 フードバンクぎふ(フードバンク)

我々は、団体に届けるのではなく個別の家庭に食品を届ける活動を行っています。また、生産者から寄付される農産物は、収穫にマンパワーが必要になることがあります。地元の団体のこどもや母親に収穫体験の呼びかけをしながら農産物を収穫し、一部をフードバンクが活用し、フードバンク活動を広げています。

一般社団法人 こどもがセンター(こども食堂、フードバンク)

こども食堂を行っている団体とこれから開店予定の団体・個人が集まり「こども食堂ぎふネットワーク」が発足し、2022年に一般社団法人「こどもがセンター」を設立しました。ここでは、こども食堂、フードバンク、相談事業、学習支援、アウトドア体験を行っています。また、キッチンカーを導入し、移動こども食堂も実施しています。

厚生産業株式会社(食品製造事業者)

食品添加物(漬物のもと、米麹)の製造および販売を行っています。食育活動として「親子つけもの教室」や「みそ造り講習会」を年間約2,000会場で実施しています。食品ロスは、返品による商品廃棄はほぼゼロになっています。一方、製造に失敗してしまった食品等は従来廃棄していましたが、現在は家畜の餌に仕向け、食品ロスを出さない取り組みも実施しています。

生活協同組合 コープぎふ

フードバンク等の団体への食品等の提供、フードドライブの定期的な実施を行っています。食品アクセス問題の取り組みとしては、飛騨市・濃飛乗合自動車株式会社・コープぎふの3者共同で、買い物が困難になっている地域の買い物支援として貨客混載事業に取り組み、現在は山間部の集落20世帯にバスで商品を届ける事業を実施しています。

2. 意見交換会の内容

(1)質疑応答

  • Q:一般社団法人 こどもがセンター
    私たちは、こども食堂と併せてフードバンクも運営しています。一番の問題は生鮮食料品や冷凍品等、すぐに調理できる食品が不足していることです。また、どのようなものが、いつどれだけ出てくるかが読めないため、そのような情報が事前に共有できるシステムが必要です。
    現在、大垣市ではスーパーマーケットバロー4店舗と大垣社協およびフードバンクぎふが事前に食品の情報を共有する「大垣モデル」というシステムを構築しようとしています。大垣モデルでは半年程度をかけて、問題点や課題を洗い出し、それに対して対策を打ち出す予定です。需要と供給がうまく回るものになれば、岐阜市でも使う予定です。
    フードバンクおよびこども食堂では、食材を受け取りに行く運搬等のスタッフの確保や育成、人員不足が深刻です。また、こども食堂支援を目的に立ちあげた事業のため、支援先であるこども食堂から会費をとることは目的に反するので実施していません。そのため、現在は寄付金等を運営資金に充当しています。行政から援助があれば、安心安全な食品をこどもたちに提供でき、フードロス対策にもつながります。検討していただきたいです。
  • A:東海農政局
    寄付者およびフードバンク側それぞれの事情があるため難しい課題ですが、他のフードバンク団体においては、せっかく寄付された野菜を使いきることができないため、漬物や乾燥野菜に加工している取り組み事例があると聞いています。農林水産省では、フードバンク間でのノウハウ共有や食品事業者等とのマッチング、専門家派遣等によるサポート等に取り組んでいきますのでご活用をお願いします。また、農林水産省のWebサイトでは岡山県で実施されている「ハローズモデル」といった取り組みも紹介していますので参考にしていただき、課題解決の一助となれば幸いです。
    フードバンクの中には組織の運営基盤が弱く、マンパワーが不足しているなど課題があること、スタッフの確保・育成・運営資金の管理等で苦労していることは承知しています。農林水産省としては「食品ロス削減総合対策事業」のうち「食品事業者からの未利用食品提供の推進等」(令和6年度)において、フードバンク間のノウハウ共有等を推進するため、専門家派遣等でサポートする支援を行っています。

(2)フリーディスカッション

ア  食品ロスの削減関連

食品製造者、流通業者の食品ロスに関する課題について

【一般社団法人 こどもがセンター】
食材があるのにもかかわらず、滞留する時間が長くなり廃棄せざるを得ないというのが現状です。情報共有の場がつくれるよう、民間事業者、農業者等関係者に参集いただき、相談できたら良いアイデアが出ると思います。行政が主導して意見交換の場を設けていただきたいです。
補助金の申請用紙の書き方が難しいです。申請期間が短いのも問題です。先に事業を実施して後から精算という形がほとんどなので、事業を行うお金がないから補助金を申請することも難しいです。それだけのお金があれば先にやっています。また、概算請求をすれば良いのですがその方法がわかりません。申請を出すための講習会・勉強会を実施していただきたいです。

【特定非営利活動法人 フードバンクぎふ】
我々のフードバンク事業は、個人が資材や家を提供してスタートしたため、米30キロ等を倉庫用の部屋に運搬するにも階段があり、搬入に苦労しています。そのような状況のため、種々の事業が設備の改善に使えるのかを具体的に情報をいただきたいです。
また、食品を運搬するボランティアにガソリン代を補助するなど、自由度のある事業があればありがたいです。

【消費者ネットワーク岐阜】
当団体に所属する生活学校連絡会がフードバンク事業を実施していますが、重いお米等は寄付の募集をかけても市民が持参することが大変なため、思ったより集まらなかったという実態があります。欲しい人と、出したい人をつなぐプラットフォーム機能が大事になります。今はネット社会なのでネットで「食材あります」と言えば誰かが取りに来てくれます。食材をサッと運べるようになれば、フードバンク事業やこども食堂事業がうまく機能すると思います。
また、以前であれば行政は縦割りで「農政局は農水省以外のことはわかりません」というような回答が多かった中で、本日は一緒に考え調べていきましょうというスタンスがありがたかったです。
情報をうまく活用でき、必要な団体等につなげることができるような仕組みを今後考えていく必要があります。

【厚生産業株式会社】
当社は、社会に役に立ちたいという気持ちはありましたが「フードバンクに提供できる商品はあるが、この量では駄目だろう」とか「こども食堂に提供するなら賞味期限内でもアレルギーの件があるから提供は止めよう」となってしまい、フードバンク等に食品の提供ができずにいました。
自分たちで情報を収集し、社会貢献するためにもっと動かなければいけないと感じています。

【全岐阜県生活協同組合連合会】
食品ロス削減と食品アクセス問題は、現在の経済状況や国際的な食料の安全保障が危ぶまれる状況ではトレードオフ(両立できない)関係になっているのではないでしょうか。
例えば、コンビニでは食品ロスを減らすため仕入れ在庫を精緻にコントロールし、食品ロスを減らしてきている中で、地域のフードバンクやこども食堂への提供が薄くなってきています。また、一般家庭も、物価の上昇で家計を絞って生活防衛が広まってくると、そこも提供元が薄くなってきます。
提供元を取り巻く状況が変わると、供給量が減ってしまい、提供を待っている側(こども食堂)への供給がなりたたなくなるのではないかといった不安を感じています。
補助金を、もっとフードバンクが使いやすく、申請もしやすい形にして、フードバンクの活動を活発にする、そして食材を提供いただける者を増やすことが大切ではないでしょうか。

【生活協同組合 コープぎふ】
本日いろいろな話を聞かせていただき、こども食堂は生鮮品を非常に必要としていることを認識しました。
コープぎふでもフードバンクへ商品提供を行っていますが、現在、提供できている商品は、ドライ商品に限っています。また、冷凍品も返品やキャンセルで提供できる商品が発生するわけですが、そこは安全性の問題で提供できていない状況です。
先ほど紹介のあった「大垣モデル」「ハローズモデル」は興味深い取り組みです。
コープぎふの店舗でも、廃棄商品が毎日発生しますが、廃棄もしくは飼料化しています。一度、美濃加茂市在住の外国人の方に提供を検討しましたが、時間を指定して取りに来てもらうことができなかったことから実現しませんでした。
「大垣モデル」の仕組みがうまくいくようであれば、情報をいただきたいです。

【厚生産業株式会社】
以前は、賞味期限が何月何日までの日付表示であったが、今はほぼ全ての商品が月表示に変わっています。その賞味期限表示の変更によって在庫が少なくなりました。また、商品の中袋に商品名を印刷していましたが、中袋は無地にして包材を共用し、包材ロスを減少させ環境に配慮しています。
現在の状況は、01月03日ルールで流通している我が社の商品は本当にわずかになっています。今では賞味期限ぎりぎりでも納品可能な企業等もあります。この数年で01月03日ルールは変わってきています。

イ  食品アクセス問題関連

【特定非営利活動法人 フードバンクぎふ】
厚生労働省の「ひとり親家庭等のこどもの食事等支援事業」は、我々も大変助かりましたが、新年度は食品を買って提供した物の領収書に対してお金が振り込まれる仕組みになり、少し自由度がなくなってきています。

ウ  その他

【一般社団法人 こどもがセンター】
アレルギー問題は悩ましいです。当方のこども食堂では、献立メニューを事前に出してはいますが、こどもたちにアレルギーの件を聞いても「何それ?」という状態です。そこで、我々は、例えば「何か食べてかゆくなったことある?」「お腹が痛くなったことある?」等、できるだけ聞き出そうとしています。
しかし、我々の食堂は150人来るので、一人一人に聞けない場合もあり、実は本当に心配しています。その辺をどうすれば良いかというのが悩みの種です。事前に「アレルギーの方はご遠慮ください」と張り紙したとしても、リスクをゼロにはできません。もしものことがあったら大変なので、アレルギーの件は悩んでいます。

エ  食品ロス、食品アクセス問題に対する農林水産省の対応について

【東海農政局】
地域単位で協議会を作ると良いことは、先ほど話題になったようにさまざまな関係者が課題を共有でき、また、自治体にメンバーに入ってもらえることです。支援できる仕組みがあるので、まず協議会を立ち上げていただき、そこで、申請書の書き方とかをサポートする体制を整えることもできると思います。
また、支援について、ガソリン代は難しいですが、冷蔵庫や車のリースは、国の2分の1補助があります。残りの半分を県で持ち出してもらえば、冷蔵庫や車のリースという形ではありますが全額公費による支援は可能です。さまざまな支援があり、探すのが大変ということであれば農政局にご相談ください。
どのようなことでお困りかを聞いた上で、どのようなメニューが使えるかご回答します。今回は、こども家庭庁の予算も紹介しましたが、農林水産省の予算だけでなく、使える予算を前広に調べご回答しますので、ぜひ農政局をご活用ください。

懇談会の様子

部長あいさつ意見交換の様子意見交換の様子意見交換の様子全体の様子

お問合せ先

消費・安全部消費生活課

担当者:消費者対応班
代表:052-201-7271(内線2810)
ダイヤルイン:052-223-4651

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