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東海農政局

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第12回 合同会社ひだか 竹内蘭CEOとの対談(令和4年11月17日)

東海農政局は、東海地域で活躍されている学識経験者や地域の活動者の方と対談を行い、その幅広い視点を皆さんにお伝えしています。
第12回は、合同会社ひだか 竹内蘭CEO(令和4年11月17日)にお話を伺いました。(対談日:令和4年11月17日)

竹内さん.jpg
合同会社ひだか 
竹内蘭CEO

     ~こんなお話をお聞きしました~

  • ディスカバー農山漁村の宝
  • 町のシンボルが消えていく
  • ひょうたんは古代のペットボトル?
  • ひょうたんの課題を魅力に
  • もう一度、ひょうたんの町に

“ディスカバー農山漁村の宝”

部長

  (聞き手:島村 知亨
     消費・安全部長

(東海農政局)
本日は、よろしくお願いします。
東海農政局は、食や農に関わる有識者などの方にお話を伺い、意見交換の中でお聞きした幅広い知識・情報を「TOKAIミニコミ」としてまとめて発信しています。
まずは、令和4年度東海農政局「ディスカバー農山漁村の宝」(注)の選定、おめでとうございます。

(竹内氏)
ありがとうございます。ずっと瓢活(ひょうたんの良さを広める活動)を続けてきてやっと一つ報われた感じです。

(東海農政局)
選定に当たっては、ひょうたんの新たな魅力を発信し、町のシンボルであるひょうたん文化の復活・検証に寄与されたことなどが評価されたと存じておりますが、養老町とひょうたんの関係についてお聞かせ願えますか。

(注)ディスカバー農山漁村(むら)の宝
「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」は、「強い農林水産業」、「美しく活力ある農山漁村」の実現のため、農山漁村の有するポテンシャルを引き出すことにより地域の活性化、所得向上に取り組んでいる優良な事例を選定し、全国への発信を通じて他地域への横展開を図ります。

“町のシンボルが消えていく”

(竹内氏)
その昔、「養老の滝の水がお酒にかわり、親孝行息子がひょうたんに入れて持ち帰ったところ病気のお父さんが元気になった」という「養老の滝伝説」の話を元に、町のシンボルとしてひょうたんを掲げ、かつては土産物としての販売が盛んで、ひょうたんを栽培する農家も多かったんです。養老町の町章にも、ひょうたんがデザインされています。

(東海農政局)
ひょうたんは養老町のシンボルなんですね。

(竹内氏)
一時期、町を離れて、養老町に戻ってきた時に、養老町はすごく良いところだと思ったのですが、昔と比べ、すごく寂れた印象がありました。
お土産屋さんが販売しているひょうたんですら、地元で生産されたものではないものがあると知り、ひょうたんが養老町のシンボルなのに、町のシンボルの農産物すら守れないのかとすごく残念に思いました。

“ひょうたんは古代のペットボトル?”

(東海農政局)
ひょうたんのどういうところに惹かれたのでしょうか。

 (竹内氏)
母が経営している喫茶店の常連さんから、ひょうたんの現状や課題を聞くうちに、自分でもひょうたんを栽培したり、加工品を作りたくなって、やってみたら魅力にはまりました。
ひょうたんの歴史は古く、縄文時代から栽培されていて、人が水を持ち運ぶ最初の器の一つで、江戸時代ぐらいまで日用品として使われていました。

 (東海農政局)
ひょうたんは、今でいうペットボトルのような存在だったんですね。

 (竹内氏)
歴史的な魅力に加え、二つと同じものは無いという形状、軽くて丈夫で加工品の素材としての魅力もあります。

 (東海農政局)
今、取り組んでいる中で課題はありますか。

 (竹内氏)
高齢化等を理由に、養老町でひょうたんの栽培をしている農家が減ってることです。今、業として栽培しているのは3戸です。そのため、原材料となるひょうたんの確保のために、昨年から飛騨市古川町の生産者にひょうたんを委託栽培してもらっています。今まで生産者の方にお願いしていたひょうたんを水に浸けて腐らせて、中身や種を取り除く作業が面倒だということで、生のままで仕入れるという条件で、栽培に協力してもらっています。
この大量の生のひょうたんをどう効率良く処理するかを模索しています。 

(東海農政局)
どのような方法を試されましたか。

 (竹内氏)
今、圧力釜を使って、この中身や種を取り除く作業が出来ないか試していて、家庭用の圧力釜で少量なら成功しています。大量に行うとなると大型の圧力鍋などの設備に掛かる費用などが課題です。

(東海農政局)
圧力釜を使う方法は、ご自分でお考えになられたのですか。

(竹内氏)
この方法は、大垣養老高等学校の食品科学科にひょうたんの加工を教えに行った際に、高校でひょうたんの処理に圧力釜を使っていると聞いて、自分でも試してみようと思いました。

“ひょうたんの課題を魅力に”

(東海農政局)
他に、課題はありますか。

装飾前のひょうたん ひょうたんのランプシェイド
装飾前のひょうたん ひょうたんのランプシェイド

(竹内氏)
世間のひょうたんのイメージは、茶色い房をつけて座布団に置いてあるようなイメージだと思います。
こうしたひょうたんの飾り物を作るためには、形の整ったもの、傷の無いものが必要ですが、農産物なので、思い通りの形や数を生産することは出来ません。その基準に合わないものは、二束三文で買い叩かれてしまいます。
また、若い人は、既存のひょうたんのお土産を貰っても喜びません。若い人にアプローチするにはどうしたら良いか考えて、色を塗ったり、ランプシェイドなどにしたりすることで、基準に合わなかったひょうたんも活用できると思いました。

(東海農政局)
それで、何か良いアイデアを思いつきましたか。

(竹内氏)
その一つが「ひょうたんバーバパパ」です。バーバパパは自由に変形するキャラクターであるため、これまで商品にならなかったひょうたんが使えます。バーバパパはフランス発のキャラクターで公式ライセンスを取得し製造販売しています。海外でも人気があるので、インバウンドや海外展開も期待しています。
バーバパパは、お花のように土から生まれたキャラクターで、バーバパパの作品では、実は一貫して自然環境や動物を守ることの大切さを訴えています。天然素材であるひょうたんが使われているグッズがバーバパパの理念と合致していることから、フランス本社での評判も良いと聞いています。

ヨーローヒョウタン工房 ひょうたん猫ランプ ひょうたんバーバパパ
ヨーローヒョウタン工房
(養老公園楽市楽座内)
ひょうたん猫ランプ
(ヨーローヒョウタン工房にて)
ひょうたんバーバパパ
(ヨーローヒョウタン工房にて)

(東海農政局)
工房に来られたお客さんの反応はいかがでしょうか。

(竹内氏)
若い方が、ひょうたんの加工品を喜んで買ってくれるようになりました。

 (東海農政局)
竹内さんの作品が購入できるのは、このお店だけですか。

 (竹内氏)
養老公園のこのお店の他には、JR岐阜駅の構内のギフトショップ、養老町のゆせんの里のお土産のコーナー、大垣市上石津町のCAFEあめんぼの直売所、道の駅アルプ飛騨古川で購入できます。

“もう一度、ひょうたんの町に”

(東海農政局)
どんどん、瓢活が進んでいらっしゃいますが、今後の展開はどのようにお考えですか。

集合写真
対談日:令和4年11月17日
養老公園 楽市楽座内
ヨーローヒョウタン工房にて

(竹内氏)
もう一度、養老町でひょうたんに関わる人を増やして、名実ともにひょうたんの町にしたいと考えています。そのためには、まず、自分が社員を雇えるくらいになって、後が繋がるようになればと思っています。
それから、今年(令和4年)、最年少で、特定非営利活動法人   全日本愛瓢(あいひょう)会(注)の理事に就任しました。同会は、秋篠宮皇嗣殿下が、名誉総裁をされております。 現在、会員700名で1000人を目標に普及活動をしています。
年会費3000円でひょうたんの全国大会に参加できます。興味のある方は、是非、ご入会いただけばと思います。

(注)特定非営利活動法人全日本愛瓢会
本法人は、瓢箪の栽培・加工技術の普及指導にあたり、瓢箪文化芸術の向上に関する事業を行い、人々の充実した余暇活動、まちづくりの推進及び国際交流に寄与することを目的としています。(全日本愛瓢会Webサイトより) 

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    お問合せ先

    消費・安全部消費生活課

    担当者:消費者対応班
    代表:052-201-7271(内線2807)
    ダイヤルイン:052-223-4651

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