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北陸農政局

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ICT給水栓利用に係る農業大学校生との意見交換会を開催(2回目)

令和3年10月26日(火曜日)にICT給水栓の使い勝手に係る意見交換会を、新潟県農業大学校(以下、農業大学校)で、農業大学校稲作経営科の学生等と事業所職員が参加し行いました。
本意見交換会は、農業大学校と当事業所との間で締結した「スマート農業の地区内展開促進に関する協定」に基づく取組の一環として実施しました。
今回は水稲栽培期間の終了を踏まえた2回目の実施です(1回目は利用開始後約1か月時点の6月に実施)。
参加した5名の学生は、1区画の実習ほ場の耕起から収穫まで管理する担当ほ場で(1区画48a程度)、事業所設置のICT給水栓等を利用しました。
学生からは、以下のように多くの意見が出されました。

操作性等

  • 遠隔での水位把握・操作は便利
  • スマホで水位を簡単に常時監視できるので楽
  • エラー発生通知の設定は便利
  • 流し込み施肥時等の水位設定が容易

導入効果等

  • 見廻り頻度は手動に比べ2分の1程度に削減可、他作業の合間に操作可
  • スマホ操作で手動に比べ作業時間大幅減
  • スマホ操作時間は1回につき1分程度(積算温度等確認の場合1回につき2分程度)なので1日3~4回無理なく操作可能、入水時や酷暑時等にはこまめにデータ確認可能(必要に応じて推移グラフも確認)
  • スマホで自宅含め遠隔操作が可能等であり、心理的安心感大

留意又は工夫した点

  • 水位測定箇所が水口付近1箇所のため、ほ場全体水位と異なる場合があるので、ほ場内の数か所の測定水位から設定しなおして管理(期間中で2回程度再設定)
  • 一定水深湛水の許容誤差を1cmで設定すると給水・停止が高頻度となるので許容誤差を2cm~2.5cmに設定変更
  • 原因不明エラー表示発生の際に、再起動して機側で解消

通信環境整備の必要性、改善要望事項、機能追加等

  • 操作指示~実行~画面表示までのタイムラグ解消(大雨時に指示後停止まで3~4分、通信滞りで入水止水制御不能、通信制御下で操作時間増等)
  • スマホ操作を継続しないとすぐにログアウトしてしまい、その都度ID、パスワードを入力することとなる。一連の作業中はログイン状態の継続を希望(例えば、2~3時間程度は1回のログイン継続)
  • 原因不明のエラー発生表示、ほ場条件によってはエラー発生表示が頻発
  • (コストかかるが)水尻に水位計設置、排水側自動制御ができればさらに便利

導入効果及び課題のとりまとめ

  • 操作記録等が保存、活用できることはメリット
  • 当校ほ場のような高水圧管路に対応した止水構造や水位計の位置・数の工夫
  • エラー発生通知メールの到着遅延防止等があった

2回の意見交換を通じて、若手営農初心者が1作を通して感じたICT給水栓の使い勝手を聴取することができました。
今回聴取した意見は、農業大学校と連携し、現在設計でを進めているICT給水栓の追加設置や実習用ほ場の大区画化設計に反映する予定です。
引き続きこうした知見の関係機関での共有、学生の就農先での展開(今回参加の5人中3人が来春法人等で就農予定)、後輩学生への継承等を促進したいと考えています。
今後とも、受益地内の水稲作の一層の省力化、高収益作物の導入可能性拡大、人材育成等に貢献できるよう取組を推進して参ります。


供用中のICT給水栓(7月中旬)

意見交換会の様子(見える化して進行)

お問合せ先

新川流域農業水利事業所

〒953-0041 新潟県新潟市西蒲区巻甲5488
電話:0256-73-6200