ほ場整備地域におけるたまねぎ栽培
〇研修会について
令和3年6月1日(火曜日)に新潟県西蒲原区山島地内で新潟県新潟地域振興局巻農業振興部主催の園芸導入研修会が行われました。本研修は、ほ場整備地区における園芸導入及び機械化による大規模栽培に対応した「たまねぎ」の栽培技術の研鑽を図り、新潟西部地域の園芸生産の拡大と農業経営の発展に資することを目的に開催されました。
たまねぎは湿害に弱いため、排水不良のほ場では発根が悪く生育が不良となる、株の腐敗や消失が多くなる、といった課題があります。また、本地区は降雪が見込まれるため、積雪や春期の消雪時の滞水による湿害対策が不可欠となります。
見学したほ場では、R2.7~R2.9に暗渠排水工事を行い、フォアス(地下灌漑と暗渠排水の2つの機能を備えた地下水位制御システム)を用いて、たまねぎ栽培を行いました。当該ほ場では、フォアスによって積雪等による湿害を回避することができ、安定的な作物栽培が可能となりました。また、山島地区ではR1.9~R2.6に農道等の整備も行われ、大規模機械等の導入も可能になったことで機械化による省力化も可能となり、生産者の負担が軽減されていると感じました。
今年は残念ながら、あまり肥大しなかったたまねぎも一定数あり、ほ場内で大きさに少しばらつきが生じました。生産組合の方も今回の栽培を通してわかった課題をもとに、今後もたまねぎ栽培を続けていきたいと仰っていました。
収穫前のたまねぎ

フォアスを説明する県担当者
〇収穫作業見学
令和3年6月14日(月曜日)にハーベスターを用いたたまねぎ収穫作業を見学しました。
ハーベスターを用いることで、たまねぎの拾い上げと葉切りを同時に行うことができ、作業の省力化につながりました。見学された農家の方も、ハーベスターによってあっという間に拾い上げから葉切りまでが行われるのを驚いた様子で見ていました。
コンテナに収納されたたまねぎは、10分程度で満杯になり、およそ1時間半でほ場の半分近くのたまねぎが収穫できました。また、農道等が整備されたおかげもあり、コンテナの運搬や車両の移動もスムーズに行うことができ、作業効率の向上も期待できます。収穫されたたまねぎはその後、青果市場へ出荷される予定です。
今回参加した研修会や収穫の見学を通して、たまねぎ栽培における課題はもちろん、農作業を機械化することによって生産者の負担を軽減していることを実感しました。また、生産組合の方、巻農業振興部の担当者からの園芸導入に関する情報提供は、新規導入を検討中の農家の方への後押しとなる大変有意義な機会だったと思います。
ハーベスターによる収穫作業

コンテナに収納されたたまねぎ
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