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北陸農政局

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クローズアップ北陸農政局長賞

平成28年度に北陸農政局長賞を受賞された方々の取組や現在の様子をご紹介します。

農事組合法人 よこさわ(新潟県長岡市)


【受賞名】環境保全型農業推進優良事例表彰

【表彰目的】北陸農政局では、有機農業をはじめとする環境保全型農業の確立を目指し、意欲的に経営や技術の改善に取り組むとともに、環境の保全活動を通じて環境保全型農業の普及や地域社会の発展に貢献している農業者等に対し北陸農政局長賞を授与しています。

~カエルやトンボたちとともにこの地に住み続けるための農業生産をめざして~

1.受賞概要

農事組合法人よこさわの中條さん 
農事組合法人よこさわの中條 薫さん

平成19年に中山間地にある横沢集落99戸が参画し、農事組合法人よこさわを設立。

平成21年に入社した若手正規社員の提案を採用し、環境保全型農業や有機農業に積極的に取り組まれています。現在は、主食用コシヒカリのすべてについて新潟県特別栽培農産物認証を取得し、地域の環境保全型農業のリーダーとして取組を先導されています。

冬期湛水や機械除草を工夫することで生産技術を確立し、有機栽培コシヒカリ「原点回帰米」の単収は地域慣行と同水準を確保するとともに、栽培面積は年々拡大しています。

また、イベント出店や商談会に参加し、顧客ニーズの把握や情報収集、消費者への環境保全型農業の理解促進に取り組まれています。

 

2.受賞に対する思いや、受賞したことにより変化した点や周囲の反応、影響のあったことなどを教えてください。

 原点回帰米
原点回帰米

以前から、除草剤で黄色く枯れた畦道や、進化する害虫に対して強くなる農薬に、少し違和感を持っていました。
20年前、自分が幼少のころの田んぼは、カエルやトンボ、メダカやバッタなど、虫や動物たちの住みかであり、命の営みの場でした。人間だけでなく、自然全体で田んぼを守っている、そんなイメージでした。豊かだったあの頃の田んぼに戻していきたいとの思いから「原点回帰米」と名付けた有機のコシヒカリの栽培を始めました。

この取組みに対し、雑草や収穫量などの心配で組合内で反対の声もありましたが、それでも実験的にと、一部の田んぼを自分のやりたいように任せてもらえたのが本当に有難かったです。

そこから試行錯誤しながら年々栽培面積を増やし、今ではよこさわの田んぼ面積の2割が「原点回帰米」の田んぼになりました。今回、局長賞という形で評価していただき、これまでやってきたことがようやく認められたようで大変嬉しく思っています。組合内でも環境保全型農業への理解が一層深まり、よこさわの今後の方向性が定まってきたように感じています。
 
 
 
 

 3.取組にあたり苦労した点や工夫した点等を教えてください。

管理機によるチェーン除草 
管理機によるチェーン除草

生産組合を立ち上げる段階で、集落の殆どの人が生産組合に田んぼを預ける形になっていたので農地集積には苦労はありませんでした。
農薬不使用の栽培を始めて、一番の問題は除草でした。
米ぬか散布、竹ぼうきを使った除草などいろいろな方法を試した結果、現在は管理機にチェーンを付けたチェーン除草が効果的に感じていますが、更にいい方法がないかと毎年実験を繰り返しています。

また、農薬不使用の栽培について、収穫量が少ないことや、雑草や病気の心配で組合内でも意見が分かれることもあり、納得してもらうために、生産と同時に販路拡大にも取組みました。
ターゲットを定めた商品づくりや、よこさわの「魅力」「軸」を作っていくことで、少しづつファンを増やし、比例して販売量が増え、売上も伸びたことにより、組合内の理解を得ることができました。

 

4.現在の状況や今後の目標などをお聞かせください。

 29年産作付図
H29作付図

28年産から「原点回帰米」は、有機JAS認証を取得しました。(現在転換期間中。)
今までは定期購入者や飲食店へ直販するということがほとんどでしたが、30年産からは卸業者や製造業者にも販売していきたいと考えています。

販路拡大に伴い、農薬不使用の栽培面積も増やしていきたいのですが、限られた人数と期間内でどのくらい除草作業ができるかが課題です。収穫量の確保も同時にクリアしていかなければなりません。

6次産業化はいつか取組みたいと考えていますが、まずは「米をしっかり売ること」を第一に考え、しばらくは課題の解決と集客に努めたいと思っています。

今後も環境保全型農業を続けていくことを目標とし、よこさわが地域を引っ張っていけるような存在になれればと思っています。


顧客向けに発信している「よこさわ新聞」
もみがらクッション 
原点回帰米のもみがらで作った
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