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北陸農政局

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地域の人々と、農業を通じた農福連携

有限会社 ファーム・ファーム 取締役 川又 直(かわまた なおし)さん(富山市) 

【取組内容】

経営規模:水稲 18ha、野菜 2ha、そば、花き

(有)ファーム・ファームは、NPO法人「はぐれ雲」を母体とした農業法人であり、自立支援のための寮「Peaceful House はぐれ雲」で生活する知的・発達・精神等の障がいのある人を含む不登校や引きこもりの若者たちの就労の場として、苗作りや稲刈り等をスタッフと一緒に行っている。
また、収穫した農作物の直売も行っており、寮生が直売所での販売や「コミュニティれすとらん くるが」で就労体験をしている。
県内外から集まる若者と、農作業を通して自然と触れ合い、地域と交流することで、社会に出るための自立支援の環境づくりに取り組んでいる。

川又さん(前列左から2人目)と田植えを行うスタッフ
川又さん(前列左から2人目)と田植えを行うスタッフ

【環境にやさしい米作り】

「船峅(ふなくら)台地」の強い粘土質の土壌、ミネラルの豊富な立山連峰の雪解け水、昼夜の寒暖差が激しいことなど、自然豊かな恵まれた環境で、良質なお米を栽培している。
環境にやさしい米作りを行っており、雑草や病気に負けない強い苗を育てている。初期除草に力を入れ、田植えの3日後から、何度も田んぼに入り、草取りを行う。除草剤を使用しないため、雑草は全て手で取り除いている。

除草の様子
除草の様子

米の調整作業の様子
米の調整作業の様子

除草作業の後は、中干しをして、追肥作業を行う。肥料はボカシ(鶏糞、魚粉、油粕、米ぬかを混ぜて発酵させたもの)等の有機質肥料を施用。秋には、バーク堆肥(木片を2年以上発酵させたもの)を散布。環境にやさしい有機質100%の肥料で、土中の微生物の活動を活発にし、虫、カエル、鳥等、色々な生き物の命を育む。環境にやさしい農業による農作物の生産により、富山県エコファーマーの認定を受けている。

【Peaceful House はぐれ雲】

「Peaceful House はぐれ雲」は、富山市万願寺(旧大沢野町)にあり、平野部と山間部の間の田畑に囲まれたのどかな場所で、寮生はみんなと作業をしながら生活する。親元を離れ共同生活を送ることで自立心を育み、居場所づくり・自立支援・就労支援を行っている。

とうもろこしの収穫
とうもろこしの収穫

柿の皮むき
柿の皮むき

農作業を通じ地域の方と触れ合う、地域のお祭りに参加する、文化継承の役割を担う地域の方に応援いただく等、自然のなかで感性を養い、家庭的な雰囲気を大切に、共同生活により協調性・忍耐力・自身を育む。都会と異なり、地域共同体の機能がいきいきと働いていて、様々な年齢・個性を持った人達との交流が盛んに行われている。

【コミュニティれすとらん くるが】

「コミュニティれすとらん くるが」は、就労支援を行いながら地域の方の憩いの場となるよう設立したレストラン。ニート対策の就労支援の実習の場として、「Peaceful House はぐれ雲」の近くに設立され、寮生たちの宿泊研修室も備えている。会話のあるアットホームな空間を地域一体で作り上げることを目的とし、食の提供を通じて、寮生たちはもちろん、地域の様々な年代や個性の方々と交流を深めることができる。

直売所での販売
直売所での販売

特別栽培米コシヒカリ
特別栽培米コシヒカリ

食事は、「Peaceful House はぐれ雲」で育てたお米を始め、地元農家が育てた旬の有機野菜を使用した定食メニューを提供している。
お米は、寮生たちが、農薬使用を抑え、手作業で丹精込めて作った船峅産のコシヒカリを使用しており、店頭販売も行っている。

【今後の取組について】

(有)ファーム・ファーム 取締役 川又さんは、今後について、「不登校や引きこもり、ニート等の若者たちが、(有)ファーム・ファームに来て、農作業や地域との交流等、様々な体験を通して視野を広げて自立できるように、更に取組を拡大していきたい。」と話す。

【(有)ファーム・ファーム HP】
  農業生産法人有限会社ファームファーム|富山市・船峅の安心安全なお米を生産・販売 (haguregumo.jp)