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北陸農政局

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「魅力的なふるさと」を次世代に継承できるよう取組む

ブルーベリーと山の幸 いなかふれさか 上野 達也さん・和枝さんご夫妻(氷見市)

【取組内容】

氷見市の触坂(ふれざか)という中山間地域において農園「ブルーベリーと山の幸 いなかふれさか」でブルーベリー80aを作付けし、古納屋をリノベーションした「Café 風楽里(ふらり)」をご夫妻で営んでいます。ブルーベリーのお茶やジャムなどの加工品の製造・販売や、ジャム作り体験なども行っています。

【就農したきっかけ】

達也さんは、県外の旅行会社に勤務して国内外の様々な地域を訪れる中で、「特定の場所に定住し何かを創り出す立場」になりたいという思いを持つようになり、平成13年、30歳の時に、和枝さんと共に実家のある氷見市へUターンして就農しました。非農家だったことから、就農するために平成11年から2年間、石川県旧柳田村で研修を受けました。研修では、摘み取り体験やカフェなど観光的な経営ができることを考慮し、ブルーベリー栽培に取り組みました。ブルーベリーは冷凍保存が可能で、加工が容易であり健康食品として将来性があると考え、ブルーベリーの栽培と加工で生計を立てていく決心をされたそうです。
研修期間中に農地を借りることが決まってから、ブルーベリーを植え付けるために重機を用いて土壌改良を行い、平成14年に農園を開園、2年後にはカフェのオープンに至りました。
一方、和枝さんは福島県郡山市の出身で、達也さんと同じ旅行会社に勤務し、結婚しました。達也さんから会社を辞め農業の世界に飛び込むという話が出たとき、初めは驚いたそうですが、農業や田舎に対して嫌なイメージもなく、新しいことにチャレンジしてみたいという気持ちの方が大きかったそうです。

「カフェふらり」の外観
「Café 風楽里」の外観

上野さんご夫妻(カフェの店内で)
上野さんご夫妻(カフェの店内で)

【苦労した点や今後の展望】

開園後、数年はブルーベリーの摘み取り体験と直売のみを行っていましたが、年間を通しての集客に苦労したり、植栽した株がカミキリムシの被害により200株も枯れて、植え直しを続けたりした時期もあったそうです。
その後、収穫物や加工品の販売、ブルーベリーの食べ方を提案する場として自宅横の古納屋を直売所兼カフェにリノベーションしました。和枝さんが中心となりカフェを開店し、周年を通じて安定した収入と地域住民の交流の場として活用されています。
カフェの開店から4年後の平成20年にはご夫妻で役割分担を行い、達也さんが農園全般と経理を担当し、和枝さんはカフェと加工を担当する「家族経営協定」を締結しました。そのことにより、気負わず仕事が出来るようになったそうです。また、ご夫妻で氷見市の認定農業者にもなっています。

農園で栽培されたブルーベリー
農園で栽培されているブルーベリー

カフェで販売しているブルーベリージャム
カフェで販売しているブルーベリージャム

マスコミ、そして近年はSNSでの口コミで顧客も広がり、新型コロナの影響もありましたが、現在は経営も軌道に乗っていて、副業として教育関係の仕事もされています。
今後の目標として、就農当時から行っている子供たちへの食育活動や職業体験を継続し、農業を通して地域の魅力を伝えていくとともに、人材育成の取り組みや地元の農業振興に貢献したいとの思いがあるそうです。
また、これまではブルーベリーを知ってもらうことに力を注いできましたが、これからはこのカフェを出会いの拠点として、人と人を繋ぐお手伝いができればいいと考えているそうです。

【上野さんご夫妻から就農を目指す方へのメッセージ】

農業をはじめ、地域に密着した「その地の暮らしのプロ」になることを目指してほしいです。まずは、やってみたいことをやってみるのが大切です。人の体験談をいくら聞いても、前には進みません。自分なりのやり方があると思うので、たくさん失敗するなかで、それを探し続けていくことが大切だと思います。

カフェの入口前で
カフェの入口前で