このページの本文へ移動

北陸農政局

メニュー

スマート農業を活用し地域の農業を活性化

株式会社高慶農産 代表取締役 高慶 一雄(こうけい かずお)さん(魚津市) 

【取組内容】

経営規模:20.5ha(水稲9.8ha、だいこん(春・夏)2.1ha、だいこん(秋・冬)8.6ha)、作業受託866.7ha(延べ面積)

水稲、地域特産物の新川(にいかわ)だいこんの生産のほか、無人ヘリコプターによる防除作業受託事業を展開。平成29年に法人化し親子3代(本人・父・息子)が役員に就任、水稲及び高収益な新川だいこんの規模拡大等に取り組んできた。
新川だいこんの産地維持、可変施肥田植機や自動水管理システムなどスマート農業機械の効果的な導入、次世代の担い手育成のための農作業や農業用機器の使い方を動画にして閲覧サイトYouTubeで公開していることなどが評価され、令和4年度全国優良経営体表彰経営改善部門で農林水産大臣賞を受賞。

農林水産大臣賞の表彰を受ける高慶さん
農林水産大臣賞の表彰を受ける高慶さん

【新川だいこんの生産】

新川だいこんは、産地の高齢化等によって出荷量が減少していたが、代表の父が中心となって品種選定、土質改良、施肥管理などの研究・工夫を行い高品質な生産方法を確立し、地域に定着させてきており、産地維持に貢献している。また、作付拡大に取り組んだことで、産地内で最大の出荷量を誇っている。
生産された新川だいこんは、富山市と高岡市の市場へ出荷している。主に栽培している秋播だいこん(8月から播種作業を行い、約60日間で収穫)は、10月から12月に収穫作業を行っている。

新川だいこんを収穫する高慶さん
新川だいこんを収穫する高慶さん

【スマート農業について】

水稲栽培では、可変施肥田植機や自動水管理システム等のICT技術を自社の生産体制への適合性や必要性を見極めながら導入し、作業の省力化を図っている。
食味・収量センサー付き大型コンバインを導入し、圃場毎のデータ収集も行っている。また、地元地域の稲刈作業も受託している。
近年、地元地域圃場の基盤整備により、用水が整備されたタイミングで、自動給水栓(水管理システム)を導入。現在は、自社が管理する32枚の圃場に整備している。他の農家との入水時間の競合を回避、圃場水温の適時調整、タイマーによる真夜中の入水等、省力化、​労働時間の短縮を図っている。

圃場に設置されている自動水管理システム
圃場に設置されている自動水管理システム

ラジコンで操作する無人ヘリコプター
ラジコンで操作する無人ヘリコプター

平成7年に無人ヘリコプターを操縦する免許を取得。平成10年から、JA等から防除剤散布の作業を受託している。JGAP認証取得の知見を活かした防除は、委託者の信頼を得て、今では北陸3県まで活動範囲を広げている。水稲及び大豆の農薬散布作業を行っており、毎年、800ha以上の作業依頼がある。

【その他の取組】

地域の多面的機能維持のため、雑木が生い茂り農地への影響もある中山間地での伐採作業を行っている。

イノシシ等の被害も多いことから、魚津市から委託を受け罠による捕獲を行っている。また、それを加工してジビエ肉として活用。

就農を希望する研修生の積極的な受入れやYouTubeを活用した農作業動画(最大視聴数50万回)の公開などにより、地域における次世代の担い手の育成にも貢献している。

【高慶さんのYouTubeチャンネル】
  kazuo koukei - YouTube