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北陸農政局

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肉用牛の繁殖から肥育までの一貫生産に経営転換

株式会社森川牧場 森川明浩さん(43歳)(立山町) 

【取組内容】

牧場経営をしている家業に平成20年に就農。継ぐ気のなかった家業を、祖父の他界を機に手伝うようになり、次第に牛の飼養の世界に引き込まれ、15年間勤めた会社を辞めて就農しました。現在は妻と両親の4名で経営を行っています。
就農当時は、子牛を購入して育てる肥育のみの経営でしたが、子牛の購入代金が比較的高額であると感じ、より経営を安定させようと、繁殖から肥育までの一貫生産に経営を転換しました。
このことにより、平均80頭の肥育牛のみの経営から、現在では、繁殖牛と子牛、肥育牛あわせて230頭を育てる規模になりました。売上げも2倍強となり、経営状態も格段に向上しました。
また、自分の育てた牛のブランド化を目指し、東京食肉市場に出荷を集中させ、現在では、「もりかわ和牛」として、全国展開しているスーパーマーケットや、食品卸を経由して飲食店などからも支持をいただいています。
なお、牧場経営のほか、平成27年に「株式会社よこづなグループ」(飼料生産受託組織)を設立し、代表として、富山市などの約200㏊の圃場で飼料生産の受託を行い、自家利用の他、近隣の畜産農家へ飼料の販売を行っています。

【経営戦略が重要】

自社ブランド肉のポスターと森川さん
自社ブランド肉のポスターと森川さん

肉用牛生産の世界は、繁殖と肥育の分業制が多く、経営転換にあたり周囲からは、繁殖技術をもっていないことを理由に反対意見が多くありましたが、様々なリスク等も検討して一貫生産しかないと判断。
そのための牛舎の改修や、全国の同業者との交流によって技術を高めるなどしてきました。
就農するに当たって、今後情勢が変わっても対応できるように常日頃から経営戦略を考えていることが重要だと思います。
今後は、更に技術を高め、肉用牛を増頭し、県内外の肉用牛生産者とグループを立ち上げて、連携を深めたい。お客様の「生の声」や反応を確かめるための 直営店を持ちたい。という目標を持っています。

【森川さんから消費者の方へのメッセージ】

牛舎の様子
牛舎の様子
(写真は、森川さんから提供頂きました。)

このコロナ禍で和牛の需要減が深刻化しています。これまでは、海外から旅行に来ていただいたお客様や国内旅行先での消費が多く、需要と供給が成り立っていましたが、それらが殆ど止まってしまいました。
肉用牛にはお肉になる適齢期があります。需要がないからと出荷を止めることもできず、せっかくお肉になるために生まれてきた命を無駄にもできません。
和牛肉は少量で満足できるポテンシャルを持った食材だと思っています。普段なかなか食卓には上がりにくいかもしれませんが、この機会にご家庭でも和牛のきめ細やかな肉質を味わって下されば幸いです。

*「国産食材モリモリキャンペーン」推進中

新型コロナウイルスの影響により、インバウンドや外食の需要が大幅に減少し、牛肉の需要も減少しています。おいしい国産和牛を食べて、肉用牛生産者さんを応援しましょう!

農林水産省では、新型コロナウイルスの影響により需要が減少している国産農林水産物の一層の消費を促すため、フード・アクション・ニッポンの取組の一環として、JAや民間企業と連携し、「国産食材モリモリキャンペーン」を開始しています。
【農林水産省HPへのリンク】
 https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gizyutu/tisan_tisyo/morimori.html