このページの本文へ移動

北陸農政局

メニュー

「脱サラUターン就農」で園芸施設を導入した複合経営に取り組む
~経営改善を前向きに楽しみながら、地域農業の活性化を目指す~

神明おのがわ農園 各川豊章さん(39歳)(富山市) 

【取組内容】

富山市神明地区で、平成29年、35歳で実家の経営を引き継ぎ就農しました。現在、家族経営(本人、妻、両親)で水稲を4.2ha、小松菜をハウス8棟(15a)作付けしています。

【就農したきっかけ】

東京の大学を卒業後、東京・横浜で不動産会社に勤務していましたが、いずれは地元富山に戻って何らかの起業をしたいと考えていました。実家が農家だったので、農業もその選択肢の一つでした。帰省のついでに相談に訪れた富山県農林水産公社で、「とやま農業未来カレッジ(以下「カレッジ」という。)」が平成27年4月に開校することを知り、思い切ってUターン就農することを決心しました。

神明おのがわ農園代表の各川さんの写真神明おのがわ農園代表の各川さん

【研修~就農】

富山に戻った当初、私には農業の知識・経験が全くなく、就農に対するビジョンも持っていませんでした。しかし、カレッジでの1年間の研修を通じて、栽培・販売・管理・政策などの幅広い知識を学び、先進農家の現場を見聞するうちに、自分の農業経営で目指すべき方向性を掴むことができました。
元々両親は水稲と露地野菜の栽培をしていましたが、経営安定化のため、施設園芸(小松菜)を取り入れることにしました。カレッジ卒業後、射水市の小松菜農家の下で1年間の研修を受け、平成29年には親から経営を継承すると同時に、国(経営体育成支援事業)と県(新規担い手規模拡大支援事業)の事業を活用して園芸ハウス6棟を整備しました。

各川さんのハウス内で生育した小松菜の写真各川さんのハウス内で生育した小松菜

【苦労した点と経営改善】

施設栽培の小松菜を導入するにあたり苦労した点は、販路の開拓です。就農当初は全量を市場に出荷していましたが、相場が大きく変動するため、なかなか安定した売上になりませんでした。そこで、自分の顔のイラスト入りパッケージを発案して消費者に対し他の生産者との差別化を図るとともに、小売店には何店舗にも飛込みで営業をかけて契約を獲得しました。現在では、収穫量の9割以上を、小売店や直売所など市場を通さない形で直接販売しています。
親から継承した農業経営は、赤字が常態化していて負債も多い状態でした。研修2年間と経営開始後5年間は、農業次世代人材投資事業(旧青年就農給付金事業)準備型と経営開始型を受給して、家計を補いました。そこから、収量・単価の向上、農機整備の内製化、調達資材の選別、コストパフォーマンスを考慮して作業工程を見直すなど、収益の改善と支出の削減を地道に進めた結果、経営開始3年目から農業所得が黒字に転換し、現在では農業所得のみで一家の生活が成り立つ水準にまでなりました。

各川さんの顔がプリントされたパッケージの写真
各川さんの顔がプリントされたパッケージ

【今後の目標】

今後の目標は、水稲栽培の一層の効率化に取り組み、当農園で請け負うことのできる水田面積を拡大することです。地域の農家の高齢化が進んでおり、耕作されない水田も徐々に増えてきています。地元で一緒に農業を担う仲間を増やして、地域の活性化や農村振興などにも取り組みたいと考えています。

【各川さんから就農を目指す方へのメッセージ】

「何をどうやって作るか」と「作った物をどうやって売るか」を組み合わせると、農業には何百万通りのやり方が存在します。その中から自由に自分に合ったものを見つけ出し、自分だけの営農スタイル、ひいては人生そのものを組み立てられるのが、農業の魅力だと思います。みなさんも一緒に挑戦してみませんか?

就農啓発交流会で高校生に説明する各川さんの写真就農啓発交流会で高校生に説明
する各川さん(右から2人目)