
油麩丼 R6.1.26
週末、昼食を作ろうと冷蔵庫を開けたら お肉もお魚もありませんでした。 でも、これから買い物に行く気力はないので、 家にあるもので 手間をかけずなんとかしたい・・・ かろうじて、卵はありました。 こんな時は、買い置きの「油麩」で油麩丼(あぶらふどん)です!
麩にも生麩、焼麩などいろいろ種類がありますが 油麩は、グルテンに小麦粉を加え棒状にしたものを油で揚げたもので、 冷蔵技術のなかった明治の末期、保存性を高めるために 宮城県登米市の豆腐店が考案したのがはじまりだと言われています。
油麩丼はその油麩を使った代表的な料理ですが、 地元の旅館のおかみさんが考案したもので、 郷土料理としては比較的新しいメニューなのだとか。 「B-1グランプリ」にも参加したことで 全国的にも知られるようになったのだそうです。
【農林水産省HP うちの郷土料理 宮城県 油麩丼】 https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/ aburafu_don_miyagi.html

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油麩は フランスパンのような形を していますが、 不器用な私は 切るときにポロポロに なってしまうことが多いので、 よくスライス済みの商品を 購入しています。 すぐに調理できて、とても便利です。 |
作り方も簡単、かつ丼と同じ要領です。
スライスした玉ねぎを だし汁、醤油、みりん、砂糖などで煮て |
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油麩も加えて
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とき卵でとじて
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炊きたてごはんにのせれば、 もう油麩丼のできあがり。 |
味のしみた油麩はふわふわですが 油で揚げているので香ばしくコクがあり、 結構食べ応えがあります。 食べ盛りの子供たちも満足したようで助かりました(^^;
意外とボリュームがあり 肉が苦手な人やベジタリアン、マクロビオティックなどの食生活を送っている人には 肉の代用品として好まれているという油麩。 煮物や汁物に加えても、味がよくしみて美味しいです。
常温で日持ちしますので ローリングストックとしても良さそう。 とても便利な食材なので、 油麩を見かけたらぜひ手に取ってみてください。(Y)
令和6年1月26日
だんごさし R6.1.19
今回は食育班の山形県人Tさんから、小正月の行事「だんごさし」をご紹介します。
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山形や福島などでは、 小正月に、家族の無病息災、家内安全や五穀豊穣を願う 「だんごさし」という風習がいまでも残っています。 雪景色で花のない季節に、少しでも彩をもたせるという意味もあるようです。
山形市内のコミュニティセンターでは、 小学生を対象として「だんごさし」の体験教室が毎年行われており、 今年は1月6日(土曜日)に開催されました。

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だんごの木(みずき)は 近くの山で伐採して持ち込まれ、 体験教室の前日に センターロビーに設置されました。 今年は例年にも増して 大きなだんごの木となりました。 一部の枝は、 参加する小学生のための ミニだんごの木として使用されます。 |
○だんご作り
だんごさしに使用するだんごは、 だんごの粉(もち米とうるち米)に お湯をいれて、 耳たぶ程度の硬さに練り上げます。
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それを親指の先程度の大きさの だんごに丸めて、 沸騰したお湯にいれて茹でます。 ゆであがっただんごは 浮かんでくるので、 それをざるですくい上げて、 水で粗熱をとり、 水を切ってから だんごの粉をバットで まぶしておきます。 |
今回は、 だんご粉で作っただんごには赤などの染料を使用せずに 白いだんごのみを作って、 色付きのだんごは紙粘土を使って作りました。
○飾りつけ
だんごの木の先には 赤っぽい芽がついており、 本来は芽を取って だんごをさす場合もありますが、 今回は芽を気にせず、 白、赤、青、緑、黄色のだんごを どんどんさしていきました。
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おだいこくさま、おえびすさま、 千両箱、 宝船、鯛(たい)、 俵(たわら)、大判・小判などの 飾りをつけ、 華やかにだんご木が完成しました。 |
参加した小学生の皆さんは、 ミニサイズのだんご木にも だんごや飾りをつけて 持ち帰りました。 |
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お土産のかわいらしいミニだんご木で、 参加した子供たちのお家も華やかに飾られたことでしょうね。 「ミズキだんご」「繭玉飾り」など、 小正月や正月にこのような飾りつけをする行事は、各地にあるそうです。 このおだんごを食べると、無病息災で過ごせるともいわれているのだとか。
願いを込めて、みんなでおだんごを枝に飾る様子は なんだかクリスマスにも似て、とっても楽しそう! 伝えていきたい伝統行事ですね(*^-^*)
令和6年1月19日
お餅 R6.1.12
この度の令和6年能登半島地震で被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
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お正月といえば、やっぱりお餅ですね。 私はくるみ餅やずんだ餅など 甘いお餅も好きなのですが、 うちの子供たちはなぜか、 のりを巻いた磯部餅一択です(^^;
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ちなみに我が家のお雑煮は 鶏肉が入った醤油味で、 お餅は角餅です。 |
お餅の形については、以前農林水産省Webマガジンaffに おもしろい特集記事が掲載されていましたのでご紹介します。
【農林水産省Webマガジンaff 2020年1月号 特集2 「餅」】 地域で違う餅の形 角餅と丸餅、分岐ラインはココだ! https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2001/spe2_02.html
この記事によれば、 東北地方はおおむね角餅を食べるところが多いそうなのですが、 山形県庄内地方では、紅花や米などの交易で 北前船が運んできた京都文化の影響が強く、 丸餅が主流なのだとか。 歴史と食文化の深いつながりに、興味を惹かれます。
また、つきたてのお餅を年間60日以上食べる習慣のある 岩手県一関市もまた、丸餅が主流なのだそうです。 岩手県から通勤している食育班のIさんによれば、 岩手県一関市周辺では「家庭用餅つき機」を持っているお宅も多いのだとか。 つきたてのやわらかいお餅、おいしいでしょうね(*^-^*) お餅の食べ方も、納豆、ごま、しょうが、山菜、くるみ、キノコ、枝豆などなど 何百種類も(!)あるそうですよ。
【農林水産省HP うちの郷土料理 伝統餅料理(岩手県)】 https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/28_6_iwate.html
お餅ひとつとってみても、 各家庭、地域によって様々な食べ方があり、 お正月のような「年中行事」と「食」は密接な関わりがあります。
食育ブログでは、そんな日本の食文化の豊かさもお伝えできたら幸いです。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。(Y)
令和6年1月12日
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