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東海農政局

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令和2年度6次産業化推進シンポジウムを開催しました


東海農政局は、令和2年10月16日(金曜日)、「令和時代の6次産業化を考える」と題し、基調講演やパネルディスカッションを通じて、これからの6次産業化のあり方や可能性について、参加者全員で考えあうことを目的としたシンポジウムを開催しました。

開催日時及び会場 

日時

  • 令和2年10月16日(金曜日)13時30分から16時00分まで

場所

  • 名古屋能楽堂(名古屋市中区)

開催内容

基調講演

テーマ「生産面から見た6次産業」

講師(有限会社いちゆう取締役高木幹夫氏)より、「生産面から見た6次産業」をテーマに講演が行われました。
概要は次のとおりです。 
平成23年から31年まで東海農政局総合化事業計画認定審査委員会の委員を務めていた。審査に当たっては、マーケティングの基本である3C「自社分析(Company)、競合相手分析(Competitor)、顧客分析(Customer))と4P「広報宣伝(Promotion)、販売経路(Place)、商品(Product)、価格(Price)」を基に、「4Pを実践するために、自分の周囲及び環境を的確に把握できているか、また、出発点として3Cが適切に行われているか。」の視点を重視してきた。
事業計画書において、「おいしい」、「ホームページ」、「フェイスブック」及び「インターネット販売」の語句を多用したものは、4Pを出発点としている気がした。最も注目したのは、使用される原料が「秀品(注)」か「規格外品」かであった。本日のパネリストの方々は、生産に注力して秀品の生産に力を入れつつ、お客様が満足する商品の製造に取り組んでいる。
6次化で成功するためには、(1)4Pに取り組む前に、まずは3Cにより自分の環境を分析してスタート時にターゲットを絞り込むこと、(2)自分の強みを延ばすこと、(3)何より大切なのが、1次産品の生産に力を入れ、最も良いものを原料に使って、お客様に満足いただける商品を作ることである、と締めくくっていただきました。

(注)秀品とは、贈答用として使用できるような良質な農産物等をいう。

こちらをクリックしていただくと、基調講演の動画をご覧いただけます。

令和2年度6次産業化推進シンポジウム動画のリンク基調講演

認定事業者の取組事例発表

有限会社とり沢  代表取締役  伊藤友貴氏

養鶏業を営む中で奥美濃古地鶏と出会い、その懐かしい味とおいしさに感動した。この味を多くの消費者に伝えたいと思い、飼育環境や飼料を工夫しながら飼育方法を確立した。バーベキューハウスの営業や「鶏ちゃん」(味付けした鶏肉)の製造・販売を経て、6次化(カレールーや混ぜご飯の素などの開発・製造・販売)に取り組んだ。商品に対する絶対的な自信の基で、徹底的な市場調査(競合品の分析)や粘り強い営業活動が最も重要であると認識している(同氏)。こうした経験を経ながら、販売開拓に係る従業員一丸で事業拡大に努力されている様子を発表いただきました。

こちらをクリックしていただくと、有限会社とり沢  代表取締役  伊藤友貴氏の取組事例発表の動画をご覧いただけます。

令和2年度6次産業化推進シンポジウム動画のリンク有限会社とり沢代表取締役伊藤友貴氏取組事例発表

高香園  代表  野場義尊氏

消費者の緑茶離れと生活様式の変化(急須からペットボトル)による茶葉の価格下落に伴う、近隣茶農家の廃業や機械化による大規模化を横目に、手摘み栽培にこだわって生き残りを模索した。販売価格の下落と高級抹茶の販売不振に苦しんでいた時に6次化の勉強会に参加し、一念発起した。愛知県主催の農業フェア等に出店し、お客様から様々な意見や要望を頂き、販売方法やターゲットを決めてから6次化(ふりかけや焼き菓子などの開発・製造・販売)に取り組んだ(同氏)。こうした経験に基づく販売戦略の重要性や販路開拓におけるの苦労話などを発表いただきました。

こちらをクリックしていただくと、高香園  代表  野場義尊氏の取組事例発表の動画をご覧いただけます。

令和2年度6次産業化推進シンポジウム動画のリンク高香園代表野場義尊氏の取組事例発表

株式会社いのさん農園  代表取締役社長  岡田孝幸氏

Uターンで就農し、農業に経営的観点の導入とデータに基づく栽培管理を導入した。通年の売上確保(加工品)、自社の知名度向上、雇用創出及び地域への誘客(観光農園)を目的に6次化(ブルーベリーを使用したスイーツの開発・製造・販売)の取組を開始した。「おいしい」のみでは売れないので、自社商品の立ち位置を分析して、ライバル商品との差別化を図るためにパッケージの見直しや販売戦略を検討した。その際、ターゲットとするお客様の声を大切にして事業を見直した(同氏)。こうした経験に基づき、自社を第三者目線で分析すること、及び自社で行う事業と他社に依頼する事業や実施しない事業を仕分けることにより、課題を解決されていることなどを発表いただきました。

こちらをクリックしていただくと、株式会社いのさん農園  代表取締役社長  岡田孝幸氏の取組事例発表の動画をご覧いただけます。

令和2年度6次産業化推進シンポジウム動画のリンク株式会社いのさん農園代表取締役社長岡田孝幸氏取組事例発表


パネルディスカッション

テーマ「農林漁業の更なる成長産業化を目指して  これからの6次産業化を考える」

ダイスビュー有限会社代表取締役大槻恭久氏をコーディネーターに、「農林漁業の更なる成長産業化を目指して  これからの6次産業化を考える」をテーマとして、基調講演の高木幹夫氏(以下「高木」という。)、取組事例発表者の有限会社とり沢代表取締役伊藤友貴氏(以下「とり沢」という。)、高香園代表野場義尊氏(以下「高香園」という。)、及び株式会社いのさん農園代表取締役社長岡田孝幸氏(以下「いのさん」という。)の5名により、パネルディスカッションが行われました。

概要は、次のとおりです。

6次化を進めていく中で起きた課題、問題点及びその解決方策について

(高木)
6次化に取り組もうとする方は、「絵に描いた餅」で終わらないよう、地に足が着いた夢(計画)を描く必要がある。

(とり沢)
一番の課題は販路開拓である。一か所に6年間ほど毎週営業を行った結果、ようやく販売に至った。自己の商品に自信を持って、粘り強く営業を行う必要がある。

(高香園)
当初は商談会等に出店しても「お茶か」と言われて相手にされず、バイヤーには酷評(パッケージデザイン等)された。その声を基に課題を一つずつ解決した。手摘み栽培による抹茶であることを強みとして、自己の商品に対する思いを伝えることを継続して行った結果、大手販売店の取引に至った。

(いのさん)
事業開始時に沢山売れても、同じ商品を売り続けることは難しい。お客様が弊社の商品だから購入いただけるとの関係を築いていくことが大切である。また、ターゲットを明確にして、それに合わせた商品に変更していくことも必要である。


6次化を成功に導くために必要なことは何か

(高木)
原点は、自らが勉強すること。そして、わからないことは聞くこと(プランナーの活用)。

(とり沢)
一番必要なことは市場調査(競合する商品の有無等)を徹底的に行うことと、営業を粘り強く行うこと。これまで展示会等に10年間出店する中で、最初の3年間は見向きもされず試食だけという状態だったが、5年目頃から商談できるようになった。商品に自信はあるが、認めてもらうまでには時間がかかる。また、試食は効果的と思う。

(高香園)
商品の評価を受けた際に、受け入れることと受け入れないことを明確に区分して、商品に自分の思いを込めて、信念をもって続けること。

(いのさん)
他のパネリストと同意見である。商品を売るには周囲の助けが絶対必要となるので、関係構築が成功の秘訣である。また、商品を売るためにはバイヤーでなく、その先のお客様を意識することが大切である。


参加者とパネリスト等との意見交換

問1  お客様の声を把握するために留意していることは何か。

(とり沢)
商品(製造方法等)とその原材料(奥美濃古地鶏)の説明を詳細かつ丁寧に行うこと。

(高香園)
自己の商品を正確に理解して説明すること。説明の際は、お客様の反応を見ながら、興味のありそうな内容を魅力的に伝えることが大切である。

(いのさん)
自己に役立つターゲットの声のみを基に、商品の改善等を行うことが重要である。


問2  従業員を同じ方向に引っ張っていくために、大切にしていることは何か。

(とり沢)
経営者は従業員の満足感をいかにつくるかである。従業員には、そのために一生懸命働くように、また、商品を販売するように激励している。

(高香園)
従業員自身が、取扱い商品(お茶)が全国で認められ、お客様に喜んでいただいていることを知ることにより、一丸となった。

(いのさん)
人は「数字」と「思い」の両方で引っ張る必要があると思う。スタッフの意見をよく聴き、本人を理解して引っ張っていくようにしている。


問3  連携相手をどのように探したのか。

(とり沢)
農商工連携に取り組んだ際、派遣されたプランナーと信頼関係を築けたことにより、今につながった。

(高香園)
中央プランナーの派遣を受け、自分で考えることの大切さを教えていただいたことにより、力が付いた。

(いのさん)
農商工連携に取り組んだ際、農商工連携のマネージャーの教えをきっかけに、様々な人と話をするようになり、その中で出会った魅力ある人と連携している。


今後の6次産業化の取組の方向性

(とり沢)
奥美濃古地鶏を絶やさないよう、6次化事業を土台として、一人でも多くの方に奥美濃古地鶏のおいしさを伝えていきたい。

(高香園)
「お茶の味で手摘み栽培に勝るものはない」と思っているので、この伝統を長く続けていけるように頑張る。

(いのさん)
6次化を始めた理由の中に「白山町への誘客」があり、現在進行形の課題として追及している。弊社の取組としては、飲食店の建設やイチゴハウスの増設があるが、みんなの力を活かせる場所をもっと作って、地域の活性化につなげたい。


コーディネーターのまとめ

今回は、「輸出」や「IT」というキーワードが出なかったが、コロナ禍の影響で商談のあり方も変わってきており、オンライン商談にも慣れていく必要がある。「ITはわからない」でなく、この時期だからこそ勉強されると良いと思う。また、日本は少子高齢化が進み、国内市場が小さくなっていくことから、海外に販売していくことも頭に入れながら、少しずつ取り組んでいくと良いと思う。また、6次化を発展させるためには、「3つのワーク(フットワーク、チームワーク、ネットワーク)」と「信頼できる協力者(プランナー等)と組むこと」などが重要である、と結んでいただきました。

こちらをクリックしていただくと、パネルディスカッションの動画をご覧いただけます。

令和2年度6次産業化推進シンポジウム動画のリンクパネルディスカッション1 令和2年度6次産業化推進シンポジウム動画のリンクパネルディスカッション2

令和2年度6次産業化推進シンポジウム動画のリンクパネルディスカッション3 令和2年度6次産業化推進シンポジウム動画のリンクパネルディスカッション4

令和2年度6次産業化推進シンポジウム動画のリンクパネルディスカッション5

こちらをクリックしていただくと、シンポジウムのダイジェスト動画をご覧いただけます。

令和2年度6次産業化推進シンポジウム動画のリンクダイジェスト版

参加者の感想(当日のアンケートから)

本日のシンポジウムについての意見

  • 実際の生産者の取組、課題及び解決策を聴くことができ、勉強になった。
  • パネルディスカッションで、パネリストが成功者となった理由が理解できた。
  • 事例発表では、もっと多くの話を聞きたかったので、10分は短かく感じた。
  • パネルディスカッションの質問時間が少なかった。
  • 6次化に当たって、何にこだわって行うべきか参考になった。再度考えてから6次化に取り組みたい。

6次産業化の取組を進めていくに当たり現場で直面している問題や課題

  • 自社で加工場を所有していないため、委託加工すると商品の価格が高くなる。
  • 業務委託のためのマッチング。
  • コロナ禍により商談の機会が減少し、販路開拓や事業の方向性の判断が難しい。
  • 新商品のアイデアどのように出すか難しい。

6次産業化の取組を進めていくに当たり、行政に期待すること

  • 規模拡大へ向かうための補助金の拡充と手続きの簡素化。
  • 事業を持続するためのサポートの充実。
  • 地域と連携するためのサポートの充実。
  • 生産者とバイヤーをつなげる全国規模のプラットフォーム(Web上)作りなど、販路拡大のためのマッチング。

今後、6次産業化に関するシンポジウムが開催される場合、どのような内容(テーマ、形態等)としてもらいたいか

  • 今回のような内容が良い。
  • 販路開拓が難しい。特に、コロナ禍で商談会等も減少しているので、シンポジウムが販路開拓(ネット販売の方法、輸出の方法、他業者とのマッチング等)に向けたヒントを得られる場となることを期待する。
  • アフターコロナにおける6次化の方向性について。
  • プランナーの紹介もあると良い。

お問合せ先

経営・事業支援部 地域食品・連携課

担当者:6次産業化担当
代表:052-201-7271(内線2712)
ダイヤルイン:052-223-4602
FAX番号:052-201-1703

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