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国営施設機能保全事業
「尾張西部地区」
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「尾張西部地区」の経緯
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「尾張西部地区」の経緯

地域の特徴

本地域は、愛知県西部の濃尾平野に位置し、二級河川日光川水系日光川流域に広がる名古屋市外8市2町1村にまたがる低平地です。

本地域を流下する日光川は江南市の北西部に源を発し、約300平方キロメートルの流域の水を集め、伊勢湾に注ぐ延長約41キロメートルの河川です。

海抜ゼロメートルラインを記した地図拡大図(PDF : 74KB)

気象は太平洋岸気候で、比較的穏やかですが、夏は高温多湿で蒸し暑く、冬は「伊吹おろし」と呼ばれる冷たい北西の季節風が吹くなど、太平洋側の他地域と比べて寒暖の差が大きい特性を有しています。

また、沖積平野の肥沃な土壌や木曽川の豊かな水を活かした都市近郊農業地帯であり、稲作を中心に野菜、花きなどの栽培が行われています。

一方、日光川流域は木曽川の堆積によって形成された扇状地と沖積平野三角州及び干拓地に大別され、高低差約20メートル、平均勾配約2000分の1と極めて低平となっているのに加えて昭和30年代後半から昭和40年代にかけて地下水の過剰な汲み上げに伴い地盤沈下が進行したため、中下流域一帯は我が国でも有数の海抜ゼロメートル地帯となっています。(近年では、地下水揚水規制により地盤の沈下は鈍化しており、平成19から24年の累計沈下量は5センチメートル以下となっています。)

本地域では、このような地形状況と都市化の進展に伴う排水流出量の増加と相俟って、近年では昭和34年9月の伊勢湾台風、昭和49年7月並びに昭和51年9月の集中豪雨等により甚大な被害に見舞われてきました。

このような状況を踏まえて、国・県等の行政機関により湛水被害の軽減を目的とした排水機場等の造成が進められ、現在では流域内に182箇所の排水機場が設置されています。 

 

 
昭和49年7月の集中豪雨による湛水被害状況(津島市内)

昭和51年9月の集中豪雨による湛水被害状況(善太川河口付近)

昭和49年7月の集中豪雨による湛水被害状況(津島市内)

昭和51年9月の集中豪雨による湛水被害状況
(善太川河口付近)

国営かんがい排水事業「尾張西部地区」(昭和60年度から平成8年度)

本地区は、農地及び農業用施設の湛水被害を未然に防止するとともに、地区内全般の排水改良を行い、水田の汎用化を推進し農業生産性の向上を図るため昭和60年度から国営かんがい排水事業と併せ行う地盤沈下排水対策事業「尾張西部地区」として実施されました。

この事業では、日光川河口部に日光川河口排水機場を、また、日光川上流域の排水を木曽川に排出するための尾西排水機場と尾西排水路を造成し、現在に至るまで農地の湛水被害を未然に防止し農業経営の安定に寄与してきました。 

[事業内容]  
日光川河口排水機場 1箇所
尾西排水機場 1箇所
尾西排水路 4.0キロメートル
尾西排水機場の写真

拡大図(PDF : 154KB)

 

「尾張西部地区」の位置図

尾西排水路の図

拡大図(PDF : 146KB)

日光河口排水機場の写真

拡大図(PDF : 158KB)

 

事業の効果

事業による日光川河口排水機場、尾西排水機場及び尾西排水路の完成に伴い、これまで顕在化していた豪雨等による湛水被害が大幅に軽減されました。

下図は、事業実施前後の同等な降雨量による湛水面積の相違を示したもので、昭和51年豪雨での湛水面積が9,320ヘクタールであったのに対し、事業実施後に発生した平成12年豪雨(東海豪雨)時の湛水面積は530ヘクタールと大幅に改善されました。 

(左)昭和51年豪雨の湛水図。(右)平成12年豪雨の湛水図

 

地域の営農状況

本地区は、沖積平野の肥沃な土壌や木曽川の豊かな水を活かした都市近郊農業地域であり、稲作を中心に、北部では露地野菜、花き・花木、南部では小麦、大豆、施設野菜などの栽培が行われ、生産された農作物は産地直売等で販売されています。

本地区関係市町村の農業産出額(推計)の構成(令和2年)

注意:上記の農業産出額(推計)は、農林水産省大臣官房統計部「令和2年 市町村別農業産出額(推計)データベース(詳細品目別)」により集計したものである。


産地直売所はこちらです。(JA愛知中央会)(外部リンク) 

令和2年の農業産出額(推計)の構成比では、野菜50.5%、米24.7%、花き8.5%となっており、野菜は、春だいこん、冬にんじん、ほうれんそう、秋冬ねぎ、春キャベツ、冬キャベツ、春はくさい、秋冬はくさい、冬春なす、冬春トマトが産地指定されているほか、方領だいこん、八事五寸にんじん、越津ねぎ等あいちの伝統野菜も生産されています。

水田地帯では、法人組織を含めた担い手農家への土地利用集積が進んでおり、水稲-小麦-大豆の2年3作体系による効率的な営農が営まれているとともに、水稲においては、不耕起V溝直播栽培などコスト低減・省力化のための新技術が普及しています。

 

施設の状況

国営かんがい排水事業により造成した農業水利施設は、事業完了から20年近くが経過し、経年劣化によるポンプ設備等の動作の不具合や機場建屋のひび割れの発生など施設の性能低下が生じています。

また、本地域は東海地震対策強化地域並びに南海トラフ地震防災対策推進地域に指定された大規模地震の発生確率が極めて高い地域ですが、施設の一部には必要な耐震性を保持していないことが確認されました。 

故障件数・整備補修費等の推移の図(平成14年から平成23年まで)

 

ポンプケーシング上部の塗装剥離 建屋のひび割れ

ポンプケーシング上部の塗装剥離

建屋のひび割れ

建屋周辺地盤の沈下(尾西) 機器の耐用年数超過

建屋周辺地盤の沈下(尾西)

機器の耐用年数超過

国営施設機能保全事業「尾張西部地区」の着工

国営かんがい排水事業により造成された農業水利施設の機能を安定的に発揮しつつ、長寿命化(有効利用)による機能保全コストの低減を図るために策定した「施設の長寿命化に関する計画」に基づき適時・適切な予防保全対策を行うとともに、大規模地震に対する必要な耐震化対策を行うために国営施設機能保全事業「尾張西部地区」は着工しました。

お問合せ先

木曽川水系土地改良調査管理事務所企画課

電話:052-761-3191

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