みどりすとVol.2
「牛乳を、飲みたい気持ちに。」

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到着した、と思ったら、いきなり迷子になった。広い。右も左も青々とした牧草地が広がり、所々で牛たちが草を食んでいる。約束の時間が迫っているが、まだ牛にしか会えていない、と焦りを感じつつまっすぐに続く道をひた走り、やっと会うことができた。今回の「みどりすと」は、河北潟干拓地でホリ牧場を経営している、堀牧人さんだ。
ホリ牧場では、無農薬で栽培した自家産牧草を中心に、牛1頭1頭に合わせて毎日調整した給餌を行っている。この無農薬牧草栽培について、先日ホリ牧場は、みどりの食料システム法に基づき環境負荷低減事業活動を行う農林漁業者として、石川県知事の認定(みどり認定)を受けた(令和6年10月認定)。しかも、環境にやさしい取組はこの牧草にとどまらない。SDGsに配慮し、もやし粕を飼料利用したり、牛ふんについてはたい肥化し、牧草を育てる際の肥料として循環利用したりしているほか、今後はたい肥を敷料に活用できないか検討している。



堀さんは、大学卒業後から獣医師として働き、その後JA全農の飼料会社にて餌の飼料設計や経営コンサルに携わった後、2年ほど前に実家のホリ牧場で働くこととなった。ホリ牧場唯一の獣医師であり、飼料会社での経験は、給餌設計や牧場経営に大きく貢献している。ホリ牧場ではおなかにやさしいA2ミルク※の生産も行っており、A2ミルク認証も取得済だ。また、安全・安心な管理で牛乳生産を行っていることを証明するため、JGAP(農業生産工程管理)も取得(令和6年1月)。畜産でのJGAP取得は石川県内初である。
※牛乳に含まれるタンパク質の一種、ベータカゼインがA2型というタイプの牛から集められた牛乳。乳糖不耐症(牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしてしまう体質)の方でも症状が緩和される「おなかにやさしい」牛乳。
このJGAP申請のため、被災時のマニュアルを準備していたのだが、これが令和6年元日に発生した能登半島地震の際に役立った。発災からわずか1時間半で15ヶ所の関係機関に連絡をとり、支援がスムーズに受けられた。これらの取組が評価され、「GAPJapanアワード2024」にも選ばれている。
現在の被災時マニュアルはバージョン4で、令和5年の水害時に1回と、この度の震災で使用し、災害の度に改訂しているという。災害時は焦ってしまうので、マニュアルがあるに越したことはないとおっしゃっていた。

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この地震で、ホリ牧場も大きな被害を受けている。畑や牛舎のヒビ割れ、牧草地の液状化、ミルクの廃棄、約1ヶ月にわたる断水による牛の体調悪化、自宅の準半壊…。奥能登や中能登で被害を受けた牛たちも受け入れている。それでも穏やかな笑顔を絶やさず、畜産について詳しくない私にも理解できるように話をしてくださる堀さんには、ずっと頭がさがる思いだったし、堀さんの全身からあふれ出る優しいオーラが美しく、これからも応援していきたいという気持ちが強くなった。 |
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ところで、皆さんは牛乳をどれくらい飲んでいるだろうか?我が家は牛乳の消費量がすさまじいのだが(2歳と5歳の子どもがいる4人家族で、1Lパックを週5~6本消費する)、堀さんによると、最近は様々な種類の飲み物があり、牛乳が「飲みたい飲料」として選ばれにくくなってきている気がしているという。そこで、飲みたくなるような牛乳を目指し、環境にやさしい方法で作られた牛乳であること、牛にとってよい環境を目指している牧場であることなど、さまざまな側面からホリ牧場の牛乳の魅力を伝えていきたいのだと話してくれた。
ホリ牧場では、ソフトクリームや牛乳などが味わえる「夢ミルク館」で、このかわいい牛たちからいただいた恵みを味わうこともできるほか、丸太の一本橋で遊んだり、広場の動物たち(馬、ヤギ、うさぎ)と触れ合ったりすることもできる。ぜひ一度訪れてみてほしい。

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