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北陸農政局

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みどりすとVol.3

「自然」の先で出会った「美味しさ」


砂山ぶどう園・砂山


砂山ぶどう園・砂山 博和さん(石川県宝達志水町)


車のドアを開けた瞬間、稲わらの優しいにおいに包まれた。一歩足をおろせば、ふかふかな地面、かすかにクラシックの音楽まで聞こえてくる。この心地よさに、到着早々癒されている我々を穏やかな笑顔で迎え入れてくれたのが、今回の「みどりすと」砂山ぶどう園の砂山博和さんだ。

海まで1kmもないところに位置する石川県宝達志水町の砂山ぶどう園では、農薬や化学肥料を一切使わず、自然栽培でぶどう作りを行っている。
自然栽培は難しいと言われる果樹になぜ取り組もうと思ったのか、砂山さんに話を伺った。

ぶどう



砂山さんは2013年に電子機器メーカーを定年退職し、実家のぶどう農家を継いだが、農薬使用後にいつも母が体調を崩していたことから、自身は農薬を使わずに栽培することを決めた。同年に開塾されたJAはくい主催の「のと里山農業塾」に入塾し2年間学んだ後、農薬、肥料、除草剤を使わない「はくい式自然栽培」を開始。自然栽培に切り替えてみると、雑味がなく、後味が爽やかな、おいしいぶどうが作れるようになったという。

砂山ぶどう園のぶどうは、植物ホルモン(ジベレリン)も不使用なので、当然種ありぶどうができる。我々が「種なしぶどうの方が食べやすいし、最近はシャインマスカット等、種なしをアピールしているぶどうが多いからな~」などと言うと、砂山さんに種ありぶどうの素晴らしさを力説された。




 自然栽培圃場


「種ありぶどうは、種なしぶどうと比べて深い味わいとコクがあるんですよ!甘みと酸味のバランスもいい」「種ありぶどうは樹上で完熟させることができる。種なしぶどうは完熟する前に粒が落ちてしまうんです」などなど。種ありぶどうの方がおいしいのだという記事も見せてもらい、さらにぶどうの種にも効能があるという話まで聞いて、これはもう、種ありぶどうを種ごと食べるしかない、という気持ちになってしまう。

砂山さん

ただ、ぶどうの自然栽培は難しい。砂山ぶどう園での収量は慣行栽培の3割程度。その要因は、病害虫や受粉率の低さだ。また、小粒なものが多くなり、きれいな房に仕上げることも難しいという。こうした部分を補うため、2023年からICT機器の導入も始めた。温度・湿度・地中温度・土壌水分量等を計測し、これらのデータを今後分析予定だ。現時点では、成熟期になると土壌水分がすぐ不足するということが分かっている。砂山さんはもともと電子機器メーカーに勤めていたこともあり、機械導入に難しさなどは感じておらず、これからの分析を楽しみにされていた。


機器


また、砂山ぶどう園の、あのふかふかな土づくりには、広葉樹チップ、廃菌床、米ぬか、稲わらが使用されており、現在のような土壌になるまで5年かかったそうだ。これも自然栽培の大変さだと思うが、一方で園内に雑草を生やしておく草生栽培をしたことで、土壌の水持ちが良くなり、近隣のぶどう農家も真似するようになったという。


ここまで話を聞くと、砂山ぶどう園のぶどうを食べたくなる。どこで買えるのか聞くと9月から10月まで道の駅のと千里浜、JAグリーンはくい(直売所)とのこと。10月中旬以降、よりおいしい完熟ぶどうを楽しむことができるという。

ちなみに、砂山ぶどう園の干しぶどう「自然栽培 完熟干しぶどう」はいつでも購入可能で、干し加減もセミドライ・ミディアムドライ・ノーマルドライの3種類ある。もちろん種も食べられる。
さらに、セミドライのうち特定の条件下で自然発酵したものは、「自然発酵完熟干しぶどう」として販売している。アルコール発酵しているので、運転される方や妊娠・授乳中の方は控えていただく必要があるが、袋を開けた瞬間にただよう深いワインの香りは最高だ。

経営面での課題はあるが、常に探求心を忘れず、楽しみながら農業をされている砂山さんの姿は大変まぶしかった。「欧米ではブドウの皮や種を食べるが、日本でも種ありが美味しいという食文化を広めていきたい、啓蒙活動していきたい。」と話す砂山さんの活動を、これからも楽しみにしている。


ぶどうの木

Writer:首藤


DATA【砂山ぶどう園】
園主:砂山 博和
農法:自然栽培

 1950年 ぶどう園開園
 2013年 農薬(殺虫剤、殺菌剤、除草剤、植物ホルモン)不使用
 2014年 広葉樹チップで土つくり
            自然森林土壌に改良
 2015年 自然栽培開始
            農薬・化学肥料・堆肥不使用

品種:生食ぶどう品種:マスカットベリーA、安芸クイーン、シャインマスカット等


     箱入りぶどう       商品ぶどう 

https://sunayama-budou.blogspot.com/

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