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近畿農政局

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和歌山平野の歴史


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和歌山平野における土地改良事業の歴史について解説しています。

1.歴史

紀の川流域では少ない雨を補うため古代より紀の川の水を利用するための用水路の開削が行われてきました。これらの用水路の多くは現在も地域の農業に利用され重要な役割を果たしています。

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紀の川左岸地区

西国三社参りとして詣でられる日前宮(和歌山市若草)一帯の水田を潤すために作られた全長28kmに及ぶ用水は宮井用水と呼ばれ、4~5世紀を起源とすると言われています。四箇井、小倉井と統合され、現在は紀の川左岸用水と呼ばれています。紀の川左岸用水路は分岐を繰り返しながら、和歌山市南部に位置する和田川流域の農地も潤しています。

和田川地区

和田川は、和歌浦に流れ出る和歌川の支川であり、その流域には農地が広がっています。低平地であり、和田川が潮位の影響を受ける感潮河川であるため、大雨時には周辺で湛水被害が発生しています。

貴志川地区

安楽川井用水は、鎌倉時代を起源とし、安土桃山時代に高野山の僧侶によって再興されたといわれる水路です。紀の川と貴志川にはさまれた百合山の裾野に広がる一帯(旧桃山町)に広く用水供給しています。現在は紀の川本川取水堰の合口により藤崎頭首工から取水して、江戸時代に開発された荒見井用水を経ています。

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(現在の安楽川井用水路)

紀の川右岸地区

藤崎井用水は、江戸時代に大畑才蔵が開いた用水路で、紀の川市藤崎で取水し和歌山市山口まで24kmを流下する大規模な用水路で、約800ヘクタールの農地を潤しています。
小田井用水は、藤崎井用水の完成を受けて同じく大畑才蔵が開いた用水路です。橋本市・かつらぎ町・紀の川市を経て岩出市に至る33kmと長大な水路で、約1,000ヘクタールの新田開発に寄与しました。この間の標高差は僅かに22m(勾配約1/1,500)であったことから、用水路は紀の川右岸の河岸段丘を等高線に沿って走ることになり、渡井(水路橋)や伏越(サイフォン)により小河川と交差する高い土木技術がうかがわれます。また明治から大正期に改修された4つの施設(龍之渡井、木積川渡井、小庭谷川渡井、中谷川水門)は国の登録有形文化財に登録されているほか、小田井用水路として世界かんがい施設遺産に登録されました。
六箇井用水の起源の詳細は明らかではありませんが、江戸時代に大畑才蔵の測量、指導により和歌山市直川まで延伸され、さらに中村成近により和歌山市松江まで16km延伸されました。これらの水路は紀州藩の新田開発に貢献しました。

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(現在の小田井用水路龍之渡井〈たつのとい〉)

2.水利再編

長い歴史的背景の中で整備されてきた用水路網は、その後の近・現代の土地改良事業等により再編整備され本地域の現在の水利系統が形成されました。

十津川・紀の川総合開発事業〈S27~59年度〉

この事業は、その後の日本における水資源開発の手本ともなる歴史的大事業でした。画期的であったのは、吉野川(紀の川の奈良県内での呼称)の流域変更だけでなく、太平洋へ流れていた十津川の水を紀の川へ導水したこと、つまり、2つの川の流域変更であったという点です。またこの事業は、農林・建設両省が共同して実施するという全国でも極めて珍しい事業形態でした。その概要は以下の通りですが、農林省ではそれぞれ異なる事業により実施しています。

十津川・紀の川土地改良事業〈S27~58年度〉

  • 吉野川上流に、大迫ダム、津風呂ダムを建設し、かんがいと上水道用水を確保するとともに、大迫ダムでは発電も行うこととしました。
  • 紀の川支流の貴志川に山田ダムを設けて、貴志川沿いのかんがい用水を確保しました。
  • 奈良県大淀町の下渕頭首工にて吉野川の水を大和平野へ導水し、かんがいと上水道用水を供給しました。
  • 大和丹生川に西吉野頭首工を設け、紀の川右岸を潤す「紀の川用水」を建設しました。

紀の川災害復旧土地改良事業〈S29~32年度〉

  • 紀の川本川にかかる既設の11堰を、小田・藤崎・岩出・新六ヶの4つの頭首工に統合しました。この事業は総合開発の一環として十津川・紀の川土地改良事業で実施される予定でしたが、折しも発生した水害の復旧事業により完成することとなりました。

建設省(現国土交通省)により実施〈S25~32年度〉

  • 十津川上流に猿谷ダムを建設し、発電と合わせ紀の川水系の大和丹生川へ流域変更しました。昭和27年に建設省が奈良県から引き継ぎ事業を完了させました。

国営造成土地改良施設整備事業  紀の川地区〈S58~H5年度〉

小田・藤崎・岩出・新六ヶの4つの頭首工について、機能維持・安全性確保のための補修工事と水管理の適正化に必要な施設の整備を実施しました。

国営かんがい排水事業  第二十津川紀の川地区〈H11~27年度〉

ダム、頭首工等の基幹的農業水利施設の改修を行ない、施設機能の維持及び安全性を確保して、営農形態の変化に対応した用水の安定供給に努め、農業生産の維持を図るものです。

国営かんがい排水事業  大和紀伊平野地区〈H13~29年度〉

大和平野及び紀伊平野において、農業用水路などの整備を行なうことにより、農業用水の安定供給を図るとともに、併せて、この結果生み出される余剰水を新たに都市化に伴う地域の水道用水などに活用し、地域の水資源の有効活用に資するものです。

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お問合せ先

和歌山平野農地防災事業所

〒640-0413
和歌山県紀の川市貴志川町神戸327-1
TEL:(0736)65-3360
FAX:(0736)64-0320