クローズアップ北陸農政局長賞
平成28年度に北陸農政局長賞を受賞された方々の取組や現在の様子をご紹介します。 |
上越市(じょうえつし)(新潟県上越市)
【表彰目的】「農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律(平成26年法律第78号)」に基づき、北陸農政局の管内において取り組まれている「多面的機能発揮促進事業」のうち、優良な活動を表彰し、関係者の意欲の高揚を図るとともに、同事業による各種の取組の推進に資することを目的としています。 |
1.受賞概要

上越市役所の担当者のみなさん
(図1)広域連携(集落間連携)のイメージ図

上越市は、高齢化等による担い手不足が懸念される中、中山間地域等直接支払制度取組集落への各種支援等を目的とした「地域マネジメント組織(広域集落協定団体)」の設立を推進し、市内の中山間地域で12組織が設立されています。(※図1)
「地域マネジメント組織」への支援策として、専門的知識を有する「中山間地域元気な農業づくり推進員」を配置して、助言を行うとともに、市単独事業を創設し継続的に支援を実施しています。(※図2)
また、各地域マネジメント組織の育成強化を目的に、各地域マネジメント組織を構成員とした「中山間地域元気な農業づくり推進協議会」を設置し、更なる体制の確立を目指しています。
これにより、上越市では、平成27年度の実績で新潟県内の中山間地域等直接支払制度取組面積(21,376ha)の12%を占める2,606haで取組が実施されています。

2.受賞したことにより影響のあったことなどがあればお聞かせください。
受賞したのが市ということもあり、地域マネジメント組織には受賞したという意識はありません。ただ、受賞した事により、地域マネジメント組織の名称や取組の知名度は確実に上がったと思います。
3.取組にあたり苦労した点や工夫した点等を教えて下さい。

集落座談会の様子

集落での会合の様子
特に苦労した点は、地域マネジメント組織を設立するに当たり、当初は集落の理解がなかなか得られなかったことです。
例えば組織の事務経費については、集落から経費を徴収して充当することを計画していましたが、多くの集落は集落に若手がいるところもあり、「事務局をまとめて事務負担を減らす事に事務経費を取られてまでやる必要があるのか。」との疑問の声が多くありました。そのような中で、何度も個別に集落座談会を開催し、将来を見越した事務負担軽減の必要性を訴えることにより説得を行ってきました。
また、「国の事業であるため適正な事務処理が必要となる。地域マネジメント組織として事務処理を行えば市でカバーすることも可能であり、統一的な目でチェックすることができる。」と事務処理の適正化への対応についても説明を行ってきました。
そのことにより地域マネジメント組織の設立に対して同意が得られました。
4.現在の状況や今後の目標をお聞かせください。
現状では、地域マネジメント組織の範囲をこれ以上広げることは考えていません。ただし、国の農村集落活性化事業で上越市において5地区採択されていますが、その地区の中で地域マネジメント組織から外れている地区については、新しい地域マネジメント組織として立ち上げることを検討しています。
今後の目標としては、地域マネジメント組織を広げることよりも、施策を伝えるツールとして活用していきたいと考えています。例えば、上越市では大きな会議として集落説明会を5月に開催しますが、その場では、農林水産部の全ての事業について説明する場となっているため、中山間地域対策の詳細について説明することができません。そのため、地域マネジメント組織の代表者を集めた会議を年に2回開催し、中山間地域のメニューのみの説明を個別に行うことを考えています。
現在、新幹線駅(上越妙高駅)を活用し、5月~11月の月2回、新幹線と在来線の間の連絡通路において、農産物の直売にも取り組んでいます。
今後はこのような取組に各集落が積極的に参加し、地域が少しでも活性化して欲しいと考えています。
各組織が、受け身ではなく自ら積極的に集落の祭りや会合などを開催して、地域の人達が顔を合わせる機会を通して何かアクションを起こすようになり、市補助事業などを活用して、さらなる地域の活性化を図るようになって欲しいと考えています。

上越妙高駅通路での農産物販売

ふるさと玉手箱事業

多様な主体と連携活動支援事業
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