クローズアップ研究者 服部 麻子
農林水産政策研究所 研究員(国際領域)
専門: フランスの農業と地域活性化
これまでの研究はどのようなものですか?
静岡大学・大学院在学中は地域活性化に興味を持ち、全国各地で都市農村交流関連事業に携わる若手ベンチャーや地域の担い手を足しげく訪ね歩きました。その折に日本では今後、農業農村が抱える課題解決の糸口を海外から積極的に得ようとする時代が来る。そう感じたのが、時の「EUの農業大国」であったフランスに渡ったきっかけです。農業と地域活性化に携わるローカルな人々と言葉と国の壁を越えて草の根レベルでつなぐ。この夢を叶えるべく「農と食のコンサルタント」の肩書のもと、農家や地域活性化に携わる個人、農協職員、中小企業、研究者、地方行政と連携し、そのつど体当たりで各種活動を行ってきました。柚子が名産である四国の山村から来て「高齢化で担い手がいないから絶望的だ」と訴える視察団に「コルシカ島がなぜ、ミカン(の一種)のGI取得で産地として成功したか、今からスライドで見せるから元気を出せ」と立ち上がる仏人研究者、「フランスの酪農家は本当にそれで食べていけるのですか」と視察先の現地の酪農家や行政担当者に真っ向から質問する北海道の酪農家などなど。畜産、栽培技術や産地認証、有機農産物から農業や地域活性化に関するツーリズム、教育…。扱った内容、エピソードもその度ごとに色々でした。
今後の抱負を教えてください。
「事件は現場で起きている!」というセリフに倣い、17年間のフランス生活から得た経験にあぐらをかかず、常に初心に帰って「今」を大切にした情報収集と研究に努めていきたいと思っています。その上で言葉や体験を客観的に分析し、国民の視点に立ってわかりやすい言葉で研究の成果を伝えていきたいです。
略歴 静岡大学大学院農学研究科修士課程修了。2005年に渡仏。農家での季節労働や仏料理の調理場等で働く傍らAgroParisTech(国立農学院)にて修士号を取得。2012年よりフリーランスでパリを拠点に、調査研究補助、視察旅行のコーディネート、ガイド、通訳、翻訳、日本食材の営業と調理デモ販売等に従事。 |
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