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農林水産政策研究所

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クローズアップ研究者 日田 アトム

農林水産政策研究所 研究員(農業・農村領域)

専門: 農業政策学、政策評価、所得分析、生産性分析

これまでの研究はどのようなものですか?

  大きく分けて3つのテーマで、主に定量的研究に取り組んできました。1つ目は、個々の農業経営に直接に支払われる補助金である、「直接支払い」の影響評価です。直接支払い制度の効率的な運用のためには、その政策効果の検証が不可欠です。大学院在籍中は、直接支払いの受給が、日本の稲作経営の所得変動、生産性、所得格差にどのような影響を及ぼしたのかを明らかにしてきました。2つ目は、気候変動が日本農業に及ぼす経済的影響の評価です。持続可能な食料供給や農業経営には、気候条件の変化が農業生産に及ぼす影響の評価が重要です。将来予測されている気温と降水量の変化が、農業所得にどのような影響を及ぼし得るのかを明らかにしてきました。3つ目は、中国や韓国の農業生産性に関する研究です。日本と生産環境が似ているアジアの国々にも目を向け、日本のデータとの調査項目や定義の違いに注意しながら、中国農業や韓国稲作の総合生産性の現況を明らかにしてきました。その他にも、外国人観光客による北海道に対する風景イメージに関する研究、自由貿易協定による環境影響の評価、食料自給率変化の要因解析に関する研究などに関わってきました。

今後の抱負を教えてください。

  これまでの研究経験を活かして、政策決定に資する研究成果を出していきたいと思っています。また、これまであまり関わってこなかった、現地調査等を通じた定性的研究についても学び、研究の幅を広げていきたいです。スピード感をもって学術的エビデンスを提供すると同時に、広い視野を持って学び続けることを忘れず、農林水産分野での政策決定に、ひいては日本社会に貢献できる研究者を目指します。

略歴      研究員紹介のページを見る

大阪府出身。2020年4月日本学術振興会特別研究員(DC 2)。2021年12月北海道大学大学院博士後期課程修了(博士(農学))。2022年4月より現職。

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企画広報室広報資料課

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