世界の人口増加と経済発展が続くなかで、質を変化しつつ量を拡大している食料の生産・消費が引き続き注目される。また、そのような食料需給に関連・影響するところの大きい農業政策や農産物貿易の実態や仕組みに注意することも重要である。このような状況に対応し、我が国の農業政策立案や食料需給の観点から重要な国・地域を対象として、農業や農業貿易に関する政策とその背後にある戦略や食料需給動向の分析等を実施してきており、今後も継続する予定である。 なかでもEUは、その政策動向が、WTOなどマルチの国際農業交渉にも大きな影響を及ぼすとともに、我が国や米国ともEPA交渉を進めているところであり、更にその農業・農政は、先進国型であることと規模の点からみても我が国の政策立案の参考となるものも少なくない。このため、EUの基幹的農業政策CAPの政策内容やその実施と影響、EUが対外交渉に臨む方針について継続的に情報収集・把握し分析する。その際には、EUのなかでの主要農業国をはじめ各国ごとの状況についての情報収集・分析、近年EUの農業政策において重要性を増している環境の要素の背景や内容についての把握・分析も行う。こうした分析を、EUのこれまでの農業・農産物貿易・農業政策・対外対応等の事情に精通した知見にも基づき、EU主要国等の情報収集・分析にも柔軟に対応しつつ実施する。 |