これまで一定規模の農地集積を図ってきた既存の「担い手」の中には、後継者の不在等から農業経営の継承が困難なものも少なくなく、これら経営体の経営継承の行方が、地域の農地集積・集約化、すなわち農業構造改革の進展を規定する大きな要因となってくる。また、経営規模の拡大に伴って不足する農業労働力を雇用によって補っていく必要があるが、他産業部門においても労働力不足が深刻化しており、その中で獲得競争に打ち勝ち、多様な雇用農業労働力を安定的に確保していくための課題は多い。 このような観点から、持続可能な経営体が地域農業の大宗を担う農業構造へと変動していく過程で生じている様々な課題、担い手の経営展開が地域農業・農村構造に及ぼす影響を明らかにするため、地域性を踏まえた実証的な調査・分析を行う。 |