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農林水産政策研究所

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農福連携の地域経済・社会、障害者の心体への効果に関する研究「農福連携の取組の地域経済・社会への効果と効果的な発揮に関する研究」(連携研究スキームによる研究)

1.研究の背景

  農福連携については、全国的に取組が拡大しており、民間の推進母体の組織の強化、行政の連携体制の強化が図られる等、農福連携推進の機運が醸成されてきているところであり、2019年4月には、農林水産省や厚生労働省などの関係省庁で構成される「農福連携等推進会議」が設置され、同年6月に「農福連携等推進ビジョン」が取りまとめられ、マスコミ等からも注目を集めた。

  こうした中で、障害者や高齢者が農業に従事することによる身体的、精神的な好影響について、障害者就労支援施設や高齢者介護施設に対する聞き取り調査等により総体的には明らかになりつつあるものの、詳細については未だ不明な点が多い。また、農業に取り組む社会福祉法人等が認定農業者となり、地域農業の中心的存在になる事例や、農業の6次産業化に取り組む中で地域の経済や社会との関係を深め、好影響を与えつつある事例、障害者、高齢者等が一緒に農業に取り組むことによりお互いに好影響を与えつつある事例等も増えてきているが、農福連携の更なる発展に向けては、農福連携の効果検証、特に定量化、数値化を図りながら、これら優良事例を横展開させていくことが必要である。

  また、農福連携を進めることによる障害者や高齢者に対する効果と、周囲の農家や住民、地域社会に対する影響は複雑に絡み合っている。このため、農福連携による影響についてできるだけ定量的に把握する努力を行いつつも、農福連携の推進効果について、常に総合的に把握していく必要がある。

  そこで、農林水産政策研究所において、農福連携の取組による地域の農業、地域経済・社会への影響について可能な限り定量的に把握し、その効果的な発揮の仕方についての研究を行い、これと併せて、農林水産政策研究所では行えない農福連携の取組による障害者・高齢者の心体への効果の定量的な把握を委託研究で行い、双方を連携させて進めることで、農福連携による効果の全容を把握・整理し、その効果的な発揮のための方策を明らかにする。

2. 研究内容

(1)農福連携の取組による地域の農業、地域経済・社会への影響に関する研究

  農福連携で広い範囲に渡って好影響を与えていると考えられる事例について現地調査及びアンケート調査を行うことで、取組による地域の農業、地域経済・社会への影響について整理し、それらを可能な限り定量的に把握し、その効果的な発揮の仕方について分析することで、必要な方策を解明する。

(2)農福連携の取組による地域コミュニティへの影響に関する国際比較研究

  (1)に加えて、閉ざされたコミュニティが農業や農業関連部門に取り組むことで開かれたコミュニティになっていく点が、ドイツと日本で共通していることを示すため、それぞれで代表的な事例を取り上げて比較分析を行う。

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