このページの本文へ移動

農林水産政策研究所

メニュー

地域農業・農村社会の構造変化を踏まえた農業経営の改善・農村コミュニティの維持・活性化に関する研究(プロジェクト研究)

1. 研究の背景

  令和2年3月に策定された新たな食料・農業・農村基本計画においては、平成から令和へと時代が変わる中、かつてない少子高齢化・人口減少の波が押し寄せ、その影響が都市部よりも地方に顕著に現れており、すでに一部では産業や地域社会の衰退が現実のものになりつつあるという現状認識が示された。その中では、農業・農村についても、農業就業者数や農地面積の減少が継続し、経営資源や農業技術が継承されず、生産基盤が一層脆弱化することが危惧されるとともに、農村人口の減少、地域コミュニティの維持が困難になることも懸念されている。

  こうした情勢の中、同計画においては、人・農地プランによる地域農業の点検の加速化、担い手の育成確保、経営基盤の円滑な継承、農地の集積・集約化等の人・農地に関する対策の推進や、半農半X型の移住志向等に見られる田園回帰の流れも踏まえ、農村を維持・活性化するための地域政策の総合化等を打ち出している。

  近年の農業・農村の動きに目を転じると、例えば集落営農組織の法人化進展に関する地域間格差の存在や、中山間地域における主たる農業従事者の高齢化の過度な進展、農業雇用者に関しては、特に若年層の雇用者数の伸びの鈍化等の傾向がうかがえるが、同計画の着実な実施のためには、まずは最新のデータに基づく現状分析が必要不可欠であり、2020年農林業センサスの分析を個票の組替集計も行いつつ詳細に実施する。当該結果を踏まえ、地域農業や農村社会の構造的な変化が特徴的な地域、抱えている課題が顕著になりつつある地域を選定して実態調査を行い、そのような動きが起きている要因と問題点を明らかにし、農業経営の改善・持続性の確保、農村コミュニティの維持・活性化につながる対策のあり方を提示していく必要がある。

2. 研究内容

(1)センサス分析による農業・農村の構造変動の解明に関する研究

  農業の担い手、農業労働力、農地の有効活用・管理、農村コミュニティの維持・活性化等をめぐる地域農業や農村社会の構造的な変化について、2020年農業センサス結果を用いた総合的な分析から明らかにする。

(2)農業経営の改善・持続性の確保に関する研究

  担い手が規模拡大し経営を改善していくために必要な労働力をどのように確保しようとしているのか、統計分析及び現地調査を組み合わせ、今後の見通しを含めた課題把握を行い、対応方向を明らかにする。

  また、経営改善に資する農地の利用を促進するため、農地集約度を測る指標を確立し生産の効率性等を分析する。

  さらに、集落営農の経営の持続性の確保のための課題と対応方向を、アンケート調査の分析等により明らかにする。

(3)農山村地域における集落及び地域資源の維持・管理に関する研究

  集落の縮小や高齢化によって存続が危惧される集落等における集落機能の変容過程や農林地をはじめとする地域資源の保全管理状況の実態把握から、集落の存続と地域資源管理に関する課題を明らかにする。

お問合せ先

企画広報室広報資料課

ダイヤルイン:03-6737-9012
FAX番号:03-6737-9600