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農林水産政策研究所

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肥料表示の適正化等に関する規制・制度の遵守強化における社会科学手法の導入に関する研究(行政対応特別研究)

1.研究の背景

  肥料表示の適正化等に関する規制・制度の遵守に関しては、約3,000社存在する肥料生産事業者のうち、毎年400社に対して、農林水産省や独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)が立ち入り検査を行うが、そのうち約2割で表示違反等の違反が認められている。

  従来どおりの周知方法では、今以上に法令の遵守を徹底することは限界があり、行動経済学や心理学に基づく推進方法を検討することが重要である。

  また、立ち入り検査の結果は、業者名と共に詳細が公表されている。したがって、違反を公表されれば、買い手の信頼を失い、生産量の減少や廃業等、肥料生産事業者の経営に様々な悪影響が生じる可能性がある。逆に違反なしと公表されれば、正の影響を期待できる。こうした検査結果が経営パフォーマンスに及ぼす影響を、定量的に解明しておくことは、肥料生産事業者の法令遵守を促すための基礎的な知見として極めて重要である。

2.研究内容

(1)肥料生産事業者の法遵守行動に対するナッジの有効性に関する研究(ナッジ)

  肥料生産事業者に対する制度周知及び法令順守の徹底について、行動経済学の知見を活用した「ナッジ」の有効性をランダム化比較実験(RCT)を用いて検証する。具体的には、ランダムにグループ分けして様々な介入方法を実験する。その後実施される立ち入り検査の結果により、法令の遵守率を各トリートメント間で比較し、有効な介入の在り方を明らかにするとともに、企業タイプごとに介入に対する遵守率の違いを整理し、より効果的な介入方法を検討する。

(2)肥料検査の結果が経営に及ぼす影響の計量経済学分析(経営分析)

  検査結果や生産数量報告等のデータを利用して、立ち入り検査の結果が、生産量や企業の存続など、肥料生産事業者のその後のパフォーマンスに与える影響を、計量経済学的な手法を用いて分析する。

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