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農林水産政策研究所

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所得向上等に繋がる農林水産物・食品の輸出拡大や食品産業の海外展開の促進に関する研究(プロジェクト研究)

1.研究の背景

  今後、人口減少や高齢化の進展により、国内の食市場は縮小する見込みであるが、一方、世界人口の増加と食生活の変化により、世界の食料需要は増加する見込みであり、我が国の食産業(農林水産業、食品産業)が継続的に発展していくためには、国内需要だけではなく、海外需要も獲得していくことが必要である。

  このような中で、令和2年3月に策定された食料・農業・農村基本計画において2030年までに5兆円とされた輸出目標を達成するには、今後の更なる輸出の拡大と食品産業の海外展開及びそれを進める際に不可欠な所得向上等の取組に関する施策の促進を図る必要がある。

  このため、我が国の主要な海外市場とみられる国・地域における需要等の動向、国内産地の生産動向、輸出や海外展開によるメリット等について把握するとともに、農林水産物・食品の高付加価値化等を図り、所得の向上につながる取組に関する諸条件等を把握する必要がある。

  また、農林水産物の高付加価値化、国際競争力の強化を図っていく上で、新品種、商標、GIなどの知的財産や地域ブランドを活用することにより、他の産品との差別化を図り、国内外の消費者の認知・評価を高めていくことが重要である。

  以上のことから、輸出の促進対策や国内における所得向上につながる輸出の取組事例などの分析を行うとともに、知的財産や地域ブランドの活用に関して、取組上の課題、効果、成功要因、消費者への効果的な伝達方法等の分析を行うことにより、農林水産物・食品の輸出促進に資することを目的とする。

2. 研究内容

(1)輸出に関する研究(今年度は実施しない)

 ・ 農林水産物の輸出の増加が我が国経済に及ぼす経済的影響について、産業連関表を用いて定量的に分析する。

 ・ 青果物について、主要な海外市場とみられる国・地域におけるマーケティングやPRなどの輸出促進対策を検証し、より効果的なマーケティング戦略の策定のための調査、検証を行う。

 ・ 日本食・食文化の海外普及を日本産農林水産物・食品の輸出拡大に繋げるとともに、加工による付加価値の高い輸出の取組を強化する対策として、だしの市場性等の食産業の海外展開の可能性について分析する。また、海外の食文化を歴史的に考察し、我が国の食品の輸出拡大につなげる研究を行う。

(2)知的財産・ブランド活用に関する研究

 ・ GI等に対する消費者の評価や購買行動に関し、既に行ったアンケート調査を分析することで、制度・マークの情報や認知度が消費者評価に与える影響や、商品選択の際の意思決定方法がマークの有無や用途によって異なるのかについて検討し、制度の効果的な活用方策への示唆を得る。

 ・ 既に行ったGI登録産品全体のアンケート調査を踏まえ、具体的取組事例の詳細を調査し、競争力強化の効果を上げるための課題と対応方法の分析を行う。また、肉用牛ブランドを対象に、ブランドに関する情報発信や消費者等が情報をどのように受け止めているのかについて、既に行った消費者を対象としたアンケート調査の結果を分析するとともに、産地の補足調査を行う。

 ・ 品種や商標などの知的財産を活用して競争力強化を図っている海外のクラブ制の取組の成功要因を整理するとともに、国内の知的財産活用の先行的な取組事例の調査・分析を行い、知的財産活用上の問題点や方向性を検討する。

お問合せ先

企画広報室広報資料課

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FAX番号:03-6737-9600