農産物・食品の輸出制限的措置による世界の食料需給・貿易構造及びフードセキュリティへの影響に関する研究(連携研究スキームによる研究)
1. 研究の背景
国際穀物等価格は、2020年後半以降、堅調に推移し、特に、2022年3月以降は、ロシアによるウクライナ侵攻の影響等により、国際穀物等価格が上昇した。2022年には30か国の主要輸出国等が農産物・食品の輸出制限的措置を実施したため、世界の食料価格はさらに上昇・不安定化し、途上国を中心とする世界のフードセキュリティに大きな影響を与えることが国際社会から懸念されている。
こうした状況を踏まえ、本研究では、主要農産物輸出国等による農産物・食品の輸出制限的措置の経済的・政策的誘発要因について国別に分析した上で、これらの措置の経済的・政策的効果を評価する。また、農産物・食品の輸出制限的措置による世界の食料需給・貿易構造及びフードセキュリティへの影響評価を行い、農産物・食品の輸出制限的措置の発動を世界のフードセキュリティにおけるリスクとしての国際的コンセンサスを形成し、望ましいフードセキュリティ指標の構築に向けた政策提案を国際社会に対して行うことを目的としている。
2. 研究内容
インド・ロシア等における農産物・食品の輸出制限的措置の経済的・政策的インセンティブ、貿易構造、輸出先国の変化等の分析、同措置による経済的・政策的効果の評価を行う。また、フードセキュリティの定義やフードセキュリティを評価する指標についての考察を行う。さらに、輸出制限的措置がフードセキュリティに与える影響評価手法について分析を行う。以上の農林水産政策研究所での研究及び委託研究成果を踏まえて、農産物・食品の輸出制限的措置のリスクを踏まえた望ましいフードセキュリティ指標構築に向けた新たな提案を行う。
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