外部環境の変動が農水産業の生産性へ及ぼす影響の検証と改善方法に関する研究(連携研究スキームによる研究)
1. 研究の背景
我が国の人口減少は都市に先駆けて農山漁村で進行している。基幹的農業従事者数、漁業就業者数はともに過去30年で半減しており、今後もこの傾向が続く場合には、より少ない人数で生産を支えるべく生産性の向上を図る必要がある。また、気候変動や生産資材価格の高騰、国際紛争の勃発など外部環境の急激な変化により農水産業も大きな影響を受けており、こうしたリスクへの対応がその都度求められる状況が続いている。他方、近年の社会全体でのデジタル化の進展はめざましく、農水産業においてもITやロボット、デジタル技術等のスマート技術の開発・導入が進められている。しかしながら、現時点では総じて設備の導入や維持管理に係るコストが高く、操作にも一定の技能を要する場合がある等の課題もある。
このため、生産性向上の観点から、新技術が生産体系の中でどう活かされているのか、今後どう活かされるべきかを検証、検討するとともに、気候変動等の外部環境の変化が生産性に与える影響や、技術的・制度的対応による影響緩和の効果を把握し、改善点を検討する必要がある。
2. 研究内容
農水産業を対象に生産性の計測等を行うために必要なデータの収集を行い、生産効率の統計的検証を行う。推定結果から現状の生産性の品目間・経営間・地域間・規模間の格差について議論を行うとともに、計測結果を基に現地調査を行い、生産性向上の方法について検討する。また、これに関連して水産物のサプライチェーンに関する調査研究を行う。
お問合せ先
企画広報室広報資料課
ダイヤルイン:03-6737-9012