アフリカにおける食料安全保障に関する研究-グローバル・サウスとの関わりにも着目して-(連携研究スキームによる研究)
1. 研究の背景
西アフリカ(西部:ガーナ、ブルキナファソ、マリ以西を指す)と南アフリカ(以下「対象地域」という。)では依然として栄養不足人口が多数存在する一方、近年の経済成長に伴い主要穀物などへの需要が急拡大しており、食料安全保障は混沌としている。そこで、近年の対象地域における食料安全保障の実態の解明が待たれている。
ただし、これら対象地域における食料安全保障は域内の問題であるだけではない。農産物貿易等を考慮すれば、それら地域と関わる外部諸国との問題であるともいえる。特に近年、対象地域と農産物貿易等で関係がより深くなっているグローバル・サウス諸国による対アフリカ戦略(特に農産物貿易構造)との関係を明らかにすることが、一層踏み込んだ「西アフリカ(西部)・南アフリカの食料安全保障」の実態の解明には欠かせない。これまで、対象地域における食料安全保障の議論は先進国との関係性に着目したものが中心であったことからも、このようなグローバル・サウス諸国との関係性に着目した新たな試みが求められている。
2. 研究内容
本研究では、西アフリカ(西部)のセネガル、ガーナなど、南アフリカの南アフリカ共和国などを対象として、対象国における食料安全保障の実態の解明を目指す。そのために、FAOによる食料安全保障に関する4つの構成要素である「供給可能性(Availability)」、「安定性(Stability)」、「適切な利用(Utilization)」、「物理的・経済的入手可能性(Access)」に沿って対象国における食料安全保障をマクロ・ミクロの両面から分析する(内部からの分析)。
また、グローバル・サウス諸国による対アフリカ戦略の分析を加えることにより(外部からの分析)、対象地域における食料安全保障の実態が、より現実に即した形で解明される。
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