農村地域における多様な主体の参画促進に関する研究(連携研究スキームによる研究)
1. 研究の背景
新たな食料・農業・農村計画の農村の振興の分野においては、農業者の減少に伴う農業生産活動や地域資源管理の共同作業能力の低下に懸念を示すとともに、農村内の非農業者の減少も加速し、農村の地域社会の維持が困難になるとし、若者や女性など農村にかかわりを持つ農村内外の多様な人材の活用が重要であると指摘している。
これらの課題を解決するためには、農村振興に関する総合的な政策の視点が求められ、農業生産の増大に限らず、住民自治の強化、福祉の向上、商工業の活性化、観光資源の活用などの多様な側面から捉えることが重要である。また、地方部では雇用や地域社会の伝統的な価値観により、若者、特に女性の流出が社会問題となっている地域もみられ、外国人材の受け入れも課題である。
そこで、本研究では、農村における所得の向上と雇用の創出、すべての人が住み続けられる魅力的な農村を実現するため、多様な人材の参加促進の方策の有効性を実証研究を通じて明らかにする。
具体的には、地域の多分野・立場の組織・人が参加して、農用地・景観保全、地域資源の持続的な活用、社会的な弱者の包摂などに取り組もうとしている地方自治体(地域運営組織や農村RMOに取り組んでいる地域等)において、当該自治体、農業者・外部人材(地域おこし協力隊等)、地域内外の企業・団体、大学等と農林水産政策研究所が連携し、地域課題の解決や地域の魅力の創出につながる調査・研究を実施し、その成果を他の農村地域に普遍化するための普及活動を行う。
2. 研究内容
地域運営組織や農村RMOに取り組んでいる地域等において、事例分析やアンケート調査を通じて、その成果や多様な主体の協働効果を検証し、新たな地域運営主体としての可能性を探る。これらの結果を踏まえ、農用地・景観保全、地域資源の持続的活用、社会的弱者の包摂の3視点から課題を整理し、普遍化すべき知見や政策課題を明らかにする。さらに、モデル自治体を選定し、関係機関と連携した現地実証研究を行う。
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