農林水産政策研究叢書 第10号
貿易自由化交渉の多層的展開期における農産物貿易問題の研究 |
福田 竜一 著 |
目次
序文
略語一覧
序章 研究課題の設定
1. |
貿易自由化交渉の低迷と進展 |
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(1)ドーハ開発アジェンダの混迷 |
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(2)貿易自由化交渉の多層的展開 |
2. |
既往研究 |
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(1)RTAの理論的研究 |
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(2)多角的貿易自由化交渉とRTAの関係性 |
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(3)国際政治経済論と世界自由貿易体制 |
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(4)RTAの経済効果と影響試算 |
3. |
農産物貿易問題の予備的考察 |
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(1)農業保護政策と農産物貿易問題の関係性 |
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(2)農産物貿易問題における対立的関係と調整 |
4. |
課題と構成 |
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(1)本研究の課題 |
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(2)本研究の構成 |
第1部 貿易自由化交渉の多層化と農産物貿易問題の展開
第1章 2国間自由貿易協定における農産物貿易問題の発生と調整
1. |
はじめに |
2. |
FTAにおける農産物貿易問題発生の構造 |
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(1)FTAを主導した国 |
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(2)FTA主導国の経済・貿易と農業 |
3. |
主要FTAにおける農産品目の扱い |
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(1)対象とするFTA |
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(2)EUメキシコFTA |
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(3)日メキシコ,日チリEPA |
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(4)豪タイFTA |
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(5)米韓FTA |
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(6)日タイEPA |
4. |
FTA/EPAにおける農産物貿易問題の考察 |
5. |
おわりに |
第2章 自由貿易協定に対する農業利益団体の見解―アメリカを対象として―
1. |
はじめに |
2. |
2002年通商法における農産物貿易自由化交渉の目標 |
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(1)自由貿易協定の締結状況 |
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(2)農産物貿易の動向 |
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(3)貿易促進権限 |
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(4)農産物貿易自由化交渉の目標 |
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(5)貿易諮問委員会 |
3. |
FTAにおける農産品の取り扱い |
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(1)米チリFTA |
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(2)米豪FTA |
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(3)CAFTA-DR |
4. |
農業利益団体とFTAに対する見解 |
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(1)農業利益団体 |
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(2)品目別農業利益団体の見解 |
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(3)貿易諮問委員会の見解 |
5. |
FTAにおける農産物利益団体の役割とその特徴 |
6. |
おわりに |
第2部 農産物貿易問題が自由貿易協定交渉に及ぼす影響
第3章 自由貿易協定締結交渉における農産物貿易問題の政治経済学的考察
1. |
はじめに |
2. |
既往研究のレビュー |
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(1)貿易政策の政治経済学的分析 |
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(2)国際交渉と国内交渉の2段階ゲーム分析 |
|
(3)関税交渉のゲーム分析 |
3. |
政治的圧力を明示した2国2財貿易モデルの構築 |
4. |
政治的圧力が関税交渉に及ぼす影響分析 |
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(1)厚生の変化 |
|
(2)関税交渉への影響 |
|
(3)両国が政治的圧力に晒されている場合 |
|
(4)国内に政治的競合がある場合 |
5. |
おわりに |
第4章 自由貿易協定交渉における農産物貿易問題の影響―米豪自由貿易協定を対象として―
1. |
はじめに |
2. |
交渉理論による関税交渉の考察 |
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(1)関税競争 |
|
(2)関税交渉 |
3. |
交渉による農産物貿易問題の調整過程と帰結 |
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(1)交渉の課題 |
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(2)交渉の推移 |
|
(3)合意内容 |
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(4)合意内容に対する反応 |
4. |
交渉理論に基づく合意内容の評価と農業への影響試算 |
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(1)米豪両国の比較 |
|
(2)データとシナリオ |
|
(3)分析結果 |
5. |
おわりに |
第5章 農業保護主義が自由貿易協定戦略に与える影響―韓国を対象として―
1. |
はじめに |
2. |
韓国のFTA締結状況 |
3. |
FTAの締結構造分析 |
|
(1)分析の前提条件 |
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(2)2国間にFTA締結可能性が無い場合 |
|
(3)3カ国すべてに締結可能性がある場合 |
4. |
韓国のFTA締結構造分析 |
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(1)分析のフレームワーク |
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(2)GTAPによる利得の算出 |
|
(3)締結構造の吟味 |
5. |
韓中FTA締結の可能性 |
|
(1)分析のフレームワーク |
|
(2)分析結果 |
6. |
おわりに |
第3部 重要農産物の市場アクセス拡大がもたらす影響
第6章 自由貿易協定締結拡大に伴う輸入関税割当への影響試算―アメリカの牛肉輸入関税割当制度を対象として―
1. |
はじめに |
2. |
アメリカの牛肉貿易政策と輸出入動向 |
3. |
TRQの定式化 |
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(1)GTAPへのTRQモジュールの導入 |
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(2)TRQにおける政策変化の影響 |
4. |
モデルの設定とシナリオ |
5. |
試算・分析結果 |
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(1)牛肉部門への影響 |
|
(2)実質GDPへの影響 |
|
(3)等価変分への影響 |
|
(4)他部門への波及的影響 |
6. |
おわりに |
第7章 ミニマムマーケットアクセス延長措置に伴う影響試算―韓国のコメを対象として―
1. |
はじめに |
2. |
ミニマムマーケットアクセスの概要 |
3. |
試算方法 |
|
(1)方法 |
|
(2)シナリオ |
4. |
試算・分析結果 |
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(1)コメ部門への影響 |
|
(2)GDP,等価変分への影響 |
|
(3)クォータレントと関税収入 |
|
(4)生産要素価格への影響 |
|
(5)他部門への波及的影響 |
5. |
おわりに |
終章 貿易自由化交渉の多層的展開による農産物貿易問題の調整の成果と限界
1. |
要約 |
2. |
本研究の結論 |
3. |
農産物貿易問題の調整の部分性と不完全性 |
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(1)部分的調整のスキーム |
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(2)貿易自由化の不均質な進展 |
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(3)国家以外の主体が及ぼす影響 |
4. |
多層的展開の成果と限界 |
|
(1)FTAとDDAの相互関係 |
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(2)制度的制約と本質的問題 |
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(3)空間的拡大の制約 |
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(4)多層的展開と交渉理念 |
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(5)NGOによるFTA/EPA批判 |
5. |
農産物貿易問題の再生成 |
付録1 GTAPの概要
1. |
GTAPとは |
2. |
全体構造 |
3. |
経済主体 |
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(1)生産者 |
|
(2)政府 |
|
(3)民間家計 |
4. |
データ |
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(1)貿易データ |
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(2)関税と支持水準 |
5. |
パラメ-タ |
|
(1)代替の弾力性 |
|
(2)生産要素変換の弾力性 |
|
(3)所得弾力性と需要弾力性 |
6. |
FTA経済効果のGTAPによる算出 |
|
(1)FTAの経済効果 |
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(2)GTAPにおける関税削減の効果と影響 |
付録2 GTAPにおけるTRQの分析方法
1. |
GTAPにおけるTRQの取扱い |
2. |
クォータレントと関税収入 |
付録3 自由貿易協定締結効果の試算事例
1. |
EUのFTA |
2. |
アメリカのFTA |
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(1)米チリFTA |
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(2)CAFTA |
|
(3)米豪FTA |
|
(4)米韓FTA |
3. |
日本のEPA |
参考文献
図表一覧
あとがき
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