農林水産政策研究叢書 第4号
遺伝子組換え作物と穀物フードシステムの新展開 ―農業・食料社会学的アプローチ― |
立川 雅司 著 |
目次
序文
序章 本書の課題と構成
第1章 穀物フードシステム再編に対する農業・食料社会学の分析視角
1. |
課題とアプローチ |
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(1)本章の課題 |
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(2)アプローチ ―農業・食料社会学的視点の意義― |
2. |
穀物フードシステム論における三つの分析レベルとアプローチ |
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(1)分析対象の3レベル―マクロ,メソ,ミクロ― |
|
(2)フードシステムとフードネットワークとの対比 |
3. |
穀物フードシステム再編に関する主要論点 |
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(1)フードレジーム・アプローチの展開と主要論点 |
|
(2)フードシステム・アプローチの展開と主要論点 |
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(3)フードネットワーク・アプローチの展開と主要論点 |
4. |
考察―穀物フードシステム再編と3アプローチ― |
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(1)3アプローチの相互関連性 |
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(2)フードシステム変化に対する複合的説明への援用 |
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(3)品質に対するFSおよびFNからの分析視角 |
第2章 アメリカにおけるバイオインダストリーの展開とGM作物
1. |
課題 |
2. |
世界におけるGM作物の現状 |
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(1)世界全体におけるGM作物の動向 |
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(2)アメリカにおけるGMO作付動向 |
3. |
バイオインダストリーの動向 |
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(1)バイオテクノロジー関連の企業買収・提携例 |
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(2)化学企業による種苗企業買収の背景 |
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(3)穀物メジャーとの企業間連携関係の模索 |
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(4)世界の主要種子企業 |
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(5)世界の主要農薬企業 |
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(6)北米における種子市場シェア |
4. |
アメリカにおけるGM作物の研究開発状況 |
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(1)GM作物の環境放出許可申請件数の推移 |
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(2)インプット・トレイトからアウトプット・トレイトへ |
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(3)DuPont社が進める第2世代GM作物開発 |
5. |
結論 |
第3章 アメリカにおけるGM作物の普及とその背景
1. |
課題 |
2. |
アメリカにおける生産動向とその地域性 |
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(1)拡大を続けるGM作物 |
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(2)GM作物の作付けに見られる地域性 |
3. |
GM作物の作付理由と経営的評価 |
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(1)GMOの作付理由と収量性 |
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(2)GMO作付農家と非作付農家との経営比較 |
4. |
GM大豆が急速に普及した背景 ―ラウンドアップレディ大豆を例として― |
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(1)除草剤耐性大豆の普及理由 |
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(2)なぜラウンドアップレディか |
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(3)収量についての見方―ラウンドアップレディ大豆― |
5. |
大豆とトウモロコシにおけるGMO普及割合相違の背景 |
|
(1)GMトウモロコシの特徴 |
|
(2)Bt抵抗性発達回避のための方策 |
6. |
アメリカにおけるGMO生産に関する規制と議会の動向 |
|
(1)行政府におけるGM規制政策の動向 |
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(2)議会におけるGMO関連規制案の提出 |
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(3)EUとの対立 |
7. |
結論 |
第4章 農業における工業化の展開とバイオテクノロジー
1. |
課題 |
2. |
農業の工業化とは? |
3. |
工業化現象の背景要因 |
|
(1)社会経済的背景 |
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(2)バイテク企業の戦略転換 |
4. |
工業化の動向と革新的技術開発による拍車 |
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(1)農業生産における集中化動向 |
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(2)垂直的調整の具体的動向 |
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(3)品質面の改善を軸とした垂直的調整の拡大 |
5. |
工業化現象の影響とその分析視点 |
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(1)農村社会学および農業・食料社会学における先行研究 |
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(2)3視点からの工業化現象把握の諸課題 |
6. |
結論 |
第5章 穀物流通・加工部門における集中化と流通システムの変化
1. |
課題 |
2. |
穀物流通加工分野における集中化傾向と穀物集荷力の拡大 |
|
(1)穀物流通分野における再編動向と集中化 |
|
(2)穀物流通における展開過程とIPハンドリングの位置づけ |
3. |
穀物加工部門における集中化動向と垂直的調整への意義 |
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(1)穀物加工分野における主要企業 |
|
(2)穀物流通と加工分野との関係変化 |
4. |
穀物流通システムの変化と特徴 |
|
(1)伝統的なバルク穀物流通の特徴 |
|
(2)高付加価値穀物流通の特徴 |
5. |
結論 |
第6章 Non-GMOにおける分別流通管理(1)アメリカ国内
1. |
課題 |
2. |
生産者段階におけるIPハンドリング対応とその影響 |
|
(1)IPに参加する条件 |
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(2)IPコストとプレミアム |
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(3)種子純度 |
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(4)IPの担い手 |
3. |
流通・輸出業者段階におけるIPハンドリング対応とその影響 |
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(1)エレベータによる分別対応状況 |
|
(2)流通経路の基本パターンとIP対応による変化 |
|
(3)IPハンドリングに伴うコスト |
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(4)IPハンドリングが「川上」に及ぼす影響 |
4. |
スターリンク事件が提起した諸課題 |
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(1)スターリンク事件の推移 |
|
(2)スターリンクの作付け上のメリット |
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(3)流通上の問題とその背景 |
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(4)スターリンクのアメリカ国内流通への影響 |
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(5)スターリンクのトウモロコシ貿易への影響 |
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(6)今後の焦点 ―追跡可能性― |
5. |
IPハンドリングに対する米加の対照的スタンス |
|
(1)カナダにおける「全国IP基準」 |
|
(2)アメリカでは個別的な取り組みが中心 |
6. |
IPハンドリング・ビジネスの多角的展開 |
|
(1)IPハンドリングにおける認証ビジネスの登場 |
|
(2)IPハンドリングの多様性 |
7. |
IPハンドリングの将来 |
|
(1)IPハンドリングの展開方向 |
|
(2)「不滅の課題」としてのIPハンドリング |
8. |
結論 |
第7章 Non-GMOにおける分別流通管理(2)日本国内
1. |
課題 |
2. |
大豆におけるNon-GMOシフトとIPハンドリング |
|
(1)大豆の主要用途とNon-GMOへの需要シフト |
|
(2)Non-GM大豆調達のためのIPシステムの形成 |
|
(3)検査・社会的認証上の諸問題 |
|
(4)東京穀物商品取引所へのNon-GM大豆の上場 |
3. |
トウモロコシにおけるNon-GMOシフトとIPハンドリング |
|
(1)トウモロコシの主要用途とNon-GMOへの需要シフト |
|
(2)Non-GMトウモロコシの調達のためのIPシステムの形成 |
|
(3)検査・社会的認証上の諸問題 |
4. |
畜産農家におけるNon-GMO対応とその影響 |
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(1)酪農経営の事例 |
|
(2)採卵経営の事例 |
5. |
結論 |
|
(1)IPコストの負担先とその要因 |
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(2)フードシステムの柔軟性と調整コストの帰趨 |
|
(3)先行投資としてのIPシステム |
|
(4)国際的に広がる食品分野におけるNon-GMOシフト |
終章 結論
1. |
はじめに |
2. |
3アプローチから示唆されるもの |
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(1)フードレジーム(FR)・アプローチからの含意 |
|
(2)フードシステム(FS)・アプローチからの含意 |
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(3)フードネットワーク(FN)・アプローチからの含意 |
3. |
IPハンドリングの将来と政策的含意 |
|
(1)日米間における穀物フードシステムの進化 |
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(2)IPハンドリングと追跡可能性との関連性 |
|
(3)表示をめぐる逆説的帰結 |
4. |
残された課題 |
5. |
おわりに |
補章 日本における20世紀農業・食料システムとフォーディズム
1. |
はじめに |
2. |
課題 |
3. |
20世紀前半の農業・食料システム―生産力主義の展開前夜― |
|
(1)農業の特徴 |
|
(2)流通の特徴 |
|
(3)国際関係 |
4. |
20世紀後半の農業・食料システム ―第2次フードレジームへの編入と制約されたフォーディズムの展開― |
|
(1)第2次フードレジームへの編入と「選択的拡大」 |
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(2)フォーディズム農業の限定的展開とその具体的様相 |
|
(3)飽食の時代――フォーディズムの転換 |
5. |
フォーディズムの次にくるもの |
|
(1)「農業の工業化」現象 |
|
(2)生産力主義以外の価値観との調整 |
6. |
おわりに―未完のプロジェクトとしてのフォーディズム― |
|
|
引用・参考文献
図および表一覧
あとがき
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企画広報室広報資料課
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