「食料品の店が近くにない!どうしよう…」から考える、高齢者(こうれいしゃ)の生活
みなさんは、食料品を買いに行けなくてこまったことはありますか?日本では、近くに食料品を買いに行ける店がなくてこまっている人が、高齢者を中心に増えています。例えば、近所のスーパーや食料品店が閉店して歩いて行ける距離にお店がなくなった。高齢になって車の運転はやめた。買い物をたのめる家族もいない。こうなると、食料品を買いに行くのはとても大変です。毎回タクシーを使うのもお金がかかりますよね。
このように、買い物に行くのが大変な人(食料品アクセス困難者)が増えていることを「食料品アクセス問題」といいます。農林水産政策研究所では、市町村別にその割合を調べ、地図で表しました。食料品アクセス困難者は、特に人口が減っている地方で割合が大きいという特ちょうがあります。また、人数でいうと東京、大阪、神奈川など大都市部でも増えていて、大きな問題となっています。

この地図は、「食料品アクセスマップ」といって、食料品アクセス困難者の割合を色別でしめしています。黄色やオレンジ色の市町村では食料品アクセス困難者が多いことを意味しています。
あなたの住んでいる市町村の食料品アクセス困難者の割合はどれくらいかな?

私たちはこんな研究をしているよ
移動販売にどのような効果があるのかな?
食料品アクセス問題への対策の一つに、移動販売があります。移動販売 とは、車に商品をのせて、場所を移動しながら商品を売るサービスで、例えるならば「移動型スーパー」です。高齢者にとって、近所に移動販売が来てくれることで、遠くまで歩かなくても買い物ができるという長所があります。
鳥取県日野町では、移動販売の取り組みが行われています。農林水産政策研究所は日野町と協力して、日野町で移動販売にどのような効果があったかを調べてみました。

その結果、移動販売のおかげで食料品を買えるようになるほか、住民が元気に生活できているかを見守ってくれることへの期待があることが分かりました。また、高齢者が自分で買い物を楽しむ機会になっていることも、分かりました。

調べてみよう!
住んでいる区市町村で、食料品アクセス問題のかいけつのための取り組みがあったら、どのような内容か、調べてみよう(住んでいる区市町村に取り組みがない場合、ほかの区市町村の例で調べてみよう)。関連リンク
- PDF版を見る(PDF:1,014KB)
- 丸山優樹・玉木志穂・船津崇・高橋克也(2025)「食料品アクセス問題の解決に向けた移動販売車がもつ福祉的機能の評価-嘆願書データのテキストマイニングによる接近-」『フードシステム研究』31(4):331-336.
https://doi.org/10.5874/jfsr.24.31.4_25[外部リンク] - 丸山優樹(2025)「移動販売車に対して住民は何を重要視しているのか?―嘆願書データから探る福祉的機能の価値―」『農林水産政策研究所レビュー』(125):4-5.(PDF:741KB)
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