「有機栽培(ゆうきさいばい)」と「特別栽培(さいばい)」って、知ってる?
「有機栽培」と「特別栽培」って、どんなもの?
野菜や米をりっぱに育てるために、通常は農薬や化学肥料を使います。しかし、農薬や化学肥料を使わなかったり、減らしたりする栽培方法もあります。これらは「有機栽培」「特別栽培」といい、様々な生き物を取りまく環境にやさしいという特ちょうがあります。「有機栽培(有機農業)」は化学的に合成された肥料や農薬を原則使いません。これに対し、「特別栽培」はこれらの使用量を50%以下に減らしたものです。
なお、通常どおり、農薬や化学肥料を使った栽培方法を「慣行栽培」と言います。

有機栽培についての目標
慣行栽培は作物をたくさん収かくできるのが良い点です。農薬や化学肥料が開発され、無理なく、多くの人に食べ物が行きわたるようになっています。一方、農薬や化学肥料を減らす農業は、様々な生き物にやさしいなど、環境保全への効果が期待されています。農林水産省は、2021年に「みどりの食料システム戦略」を作りました。その中では、化学的に合成された肥料や農薬を減らし、有機農業の取り組みを増やすという目標を立てています。

私たちはこんな研究をしているよ
米作りの有機栽培と特別栽培がもうかるのか、調べてみた
有機栽培や特別栽培が環境 に配慮 しているとはいっても、もうけが少ないようだと、取り組みは増えません。そこで、農林水産省の統計データを使って、米作りで有機栽培、特別栽培と慣行栽培のもうけを比べてみました。もうけを決める主な要素はいくつかあります。高いねだんで売れるほど、また多く収かくできるほど、もうけは増えます。しかし、米を作るのにかかるお金(費用)が大きいともうけは減ってしまいます。
研究の結果、全体的には、有機栽培を行う農家では米が高いねだんで売れていましたが、米作りにかかる費用も高いことが分かりました。一方、特別栽培を行う場合では米が高く売れ、米作りの費用は増えていませんでした。ただ、米を作った面積の大小や地域によって、結果はちがいました。
この研究には今後改善が必要なところもあり、例えば最近のお米や物のねあがりは考えに入れられていません。これらの改善を目指し、研究を続けていきたいと思います。

調べてみよう!
近所のスーパーの野菜売り場で、有機栽培や特別栽培と書かれた商品がどれくらいあるか、見てみよう。関連リンク
- PDF版を見る(PDF:310KB)
- 日田アトム(2025)「稲作における有機栽培及び特別栽培の収益構造 ―『営農類型別経営統計(個別経営)』個票を用いて―」『農林水産政策研究』早期公開
https://doi.org/10.34444/0002000103[外部リンク] - 有機・環境保全型農業のページへ
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