ロシア-世界最大の小麦輸出国へ-(ルーブル安、良好な天候、生産面の改善で作付面積・単収増)
2017/18年度のロシアの小麦輸出量は4,142万トンで世界第1位になりました(USDA,WASDE, 2018年11月8日現在)。その背景にあるロシアの小麦収穫量増加の要因を考察しました。
1. ロシアの小麦収穫量を、(ア)2013年と14年の平均値、(イ)2016年と17年の平均値で比較すると23,175千トン増加しています。これを、経済地区ごとに作付面積増加の効果と単収上昇の効果に分解すると、以下のことがわかりました。
(1) ヨーロッパ・ロシア南部に位置し、穀物輸出港が集中する黒海に近い地域(北カフカス、沿ヴォルガ、中央黒土)の収穫量が特に増加していたこと。
(2) これらの地域では、単収上昇に加えて作付面積増加も大きかったこと。
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出典:ロシア連邦統計庁より筆者計算.クリミアの値は除いた. | |
2. こうした変化の要因としては以下のことが考えられます。
(1) 作付面積増加の要因:2014年以降続くルーブル安の下で、輸出向け生産に適した地域で生産拡大意欲が刺激されたこと。
(2) 単収上昇の要因:上記産地では穀物の生産面の改善(肥料等の投入増加、優良な品種・種子の利用拡大等)も進んでおり、天候の良い年が続く中で効果が十分発現したこと。
この成果の詳細については、農林水産政策研究所Webサイトをご覧ください(以下参照)。
- 平成29年度カントリーレポート
プロジェクト研究[主要国農業戦略横断・総合]研究資料 第7号(2018年3月)
https://www.maff.go.jp/primaff/kanko/project/attach/pdf/180300_29cr07_04.pdf
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