中国の食糧価格・所得政策改革の動向
中国の食糧(コメ、小麦、トウモロコシ、ソルガム、アワ、その他の雑穀、豆類、いも類)は、2004年以降、生産量が継続的に増加しました。これは、2004年から実施された食糧価格・所得政策により、農家の食糧生産意欲が高まり、食糧増産が実現したものです。
しかし、補助の程度が年々強められていった結果、財政負担の増大、価格上昇に伴う国際競争力喪失等の矛盾が拡大しました。このため、2016年からはトウモロコシの臨時買付備蓄制度の廃止、補助金の統合等、これまでの食糧価格・所得政策の大幅な見直しが行われています。
2016年以降の政策見直し |
生産補助政策期(2004~2015年)の政策 | 生産補助調整期(2016年~)の政策見直し | |
最低買付 価格制度 |
コメ,小麦を対象に実施。 2009~2013年に買付価格を大きく引き上げ。 |
買付価格を据置き又は引下げ。 特に2018年は初めて小麦の買付価格を引き下げ,コメも大幅引き下げとともに生産者補助を導入。 |
臨時買付 備蓄制度 |
トウモロコシ,大豆を対象に実施。 トウモロコシは2009年~2013年,大豆は2009~2012年に買付価格を大きく引き上げ。 |
2016年 トウモロコシの臨時買付備蓄制度を廃止,生産者補助制度(市場による価格決定,価格と補助の分離政策)へ移行。 2017年 大豆の目標価格制度を廃止,生産者補助制度へ移行。 2018年 黒竜江省においてトウモロコシ補助金額を大幅引き下げ,大豆補助金額を大幅引き上げ。 |
目標価格 制度 |
2014年から大豆を対象に試行。 | |
農民四種 補助 |
食糧直接補助,農作物優良品種補助,農機具購入補助,農業資材総合補助を実施。 予算額は2012年まで毎年大きく増額。 |
2016年 農機具購入補助を除く3補助を統合して農業支持保護補助とし,目的を耕地地力保護等に転換。 |
注:最低買付価格制度,臨時買付備蓄制度,目標価格制度,生産者補助制度は対象の省・区が限定されている。
この成果の詳細については、農林水産政策研究所Web サイトをご覧ください(以下参照)。
- 平成30年度カントリーレポート
プロジェクト研究 [主要国農業戦略横断・総合] 研究資料 第11号(2019年3月)
https://www.maff.go.jp/primaff/kanko/project/attach/pdf/190300_30cr11_01.pdf
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