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農林水産政策研究所

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ナッジによるエシカル消費の促進効果

  消費者が、人や社会・環境に配慮した商品の購入等を行うエシカル(倫理的)消費が注目されています。

  消費者がどのような情報に反応して有機農産物を購入するのかを明らかにするため、ナッジ(情報発信)による消費への効果を、ランダム化比較試験(RCT)により検証しました。

  その結果、ほうれんそう、にんじん、たまねぎの購入促進には、有機農産物の安全・安心に関する情報(安全・安心ナッジ)だけでなく、環境へのプラスの影響に関する情報(環境ナッジ)も有効と分かりました。

※ナッジ(Nudge)は「ひじで軽くつつく」の意味で、強制するのではなく、人々を自発的に望ましい方向に誘導する仕掛けのことです。セイラー博士(2017年ノーベル経済学賞)が提唱した行動経済学の概念の一つです。

  

図  群ごとの購入金額(情報付与後2回分の合計)

実験の設定
  調査対象者2,000名を5群に分けて、群ごとに異なる情報(ナッジ)を付与し、実際に購入した金額に変化が見られるかを3か月間観察しました。情報が付与されない群をコントロール群、ナッジされた群をトリートメント群(T1~T4)と表記しています。
  ナッジの効果はコントロール群と各トリートメント群の購入金額の差で把握しました。

【群ごとの付与情報(ナッジ)】
コントロール群(N=336):なし
T1(基礎)群(N=347):基礎情報(有機農産物の一般的説明)
T2(環境)群(N=339):基礎情報+環境ナッジ
T3(安全)群(N=321):基礎情報+安全・安心ナッジ
T4(全部)群(N=330):基礎情報+環境ナッジ+安全・安心ナッジ

補足
  ほうれんそう、たまねぎ、にんじんのほかにも、米、トマト、加工品(納豆)でも同じ調査をしましたが、購入金額に明確な差は見られませんでした。
  T4(全部)群はT2(環境)群やT3(安全)群より購入金額が低い傾向が見られます。これは付与された情報量が多すぎたために消費者が反応しにくかったと考えられます。

図  群ごとの購入金額(情報付与後2回分の合計)
※*、**、***はそれぞれ10%5%1%水準で有意差があることを示します。

この成果の詳細については、農林水産政策研究所Web サイトをご覧ください(以下参照)。

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お問合せ先

企画広報室広報資料課

ダイヤルイン:03-6737-9012
FAX番号:03-6737-9600

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