GI登録による価格の上昇効果
地理的表示保護(以下「GI」という。)の登録による価格の上昇効果を、「連島(つらじま)ごぼう」※1及び同地区産の一般のごぼうの価格等を比較するプレミアム価格法※2で分析しました。
その結果、価格プレミアム※3は、GI登録前後で111.5円/kgから212.4円/kgへ上昇しました。価格プレミアムに出荷量を乗じたブランドエクイティ(=資産価値)は、GI登録前後で年4,388万円から年6,705万円へ上昇しました。
この要因としては、JAが
(1) GI登録後にメディア等を使って積極的にアピールしたことなどから、消費者に浸透したこと
(2) 希望買い取り価格を提示し、価格を競わせる等の戦略的なブランド価値形成を行ったこと
(3) 大規模な冷蔵庫の設置など、安定した出荷体制の構築による流通業者との信頼関係の醸成を行ったこと
などの積極的なチャネル管理※4を行ったことが価格上昇に繋がったと見られます。
※1 岡山県水島地域・倉敷地域で生産される白肌が特徴のごぼうであり、2016年にGI登録された。
※2 ブランド品とノンブランド品の価格差へ出荷量を乗じて、年数で割ることで、ブランド資産としてのブランドエクイティを計算する方法。
※3 顧客があるブランドに対して他の商品より余分に払ってもよいと考えている価格の部分のことをいう。
※4 商品を消費者に販売するまでの経路を適切に管理、運営することをいう。
GI登録前後の「連島ごぼう」価格(比較対象は同地区産の一般のごぼう) |
※現地調査資料により農林水産政策研究所作成
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