生きものマーク米にプレミアム効果
1. 我が国には、全国各地で生き物の保全に配慮しつつ農林水産業を行う取組が見られます。例えば、兵庫県豊岡市には「コウノトリと共生するお米づくり」という取組があります。これは、昭和46年に野生では絶滅したコウノトリの生息環境を復元しつつお米を生産するというもので、「コウノトリ育むお米」というブランド米(生きものマーク)として地域のJAで販売されています。
2. このような取組は、生き物を保全するという通常の農作業の目的ではない手間がかかることになりますが、生きものマークを表示することにより消費者の購買意欲に訴えかけ、慣行米との価格差(以下、プレミアム)を創出できるのでしょうか。
3. 農林水産政策研究所では、2010年度及び2021年度に生き物の保全に配慮しつつ生産されたお米を対象に調査を実施し、この結果、2010年度、2021年度ともに生き物の保全に配慮しつつお米を生産することは一定のプレミアムを創出していることが確認されました(図1、2)。
図1 生き物を保全しつつ生産されたお米に付された平均プレミアム |
図2 生き物を保全しつつ生産されたお米に付された栽培基準別の平均プレミアム |
注. 本プレミアムは各生産者の地域で生産される慣行米の価格との差額である。2010年度は文献やWEBを中心に39事例を調査し、2021年度は2021年12月~2022年2月にかけてアンケート調査を実施して53事例から回答を得ている。なお、2021年度のプレミアムはアンケート回答者の申告に基づいている。 |
この成果の詳細については、農林水産政策研究所Web サイトをご覧ください(以下参照)。
- 農林水産政策研究所レビューNo.108(2022年7月)
https://www.maff.go.jp/primaff/kanko/review/attach/pdf/220729_pr108_04.pdf
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