令和5年度東海農政局「農山漁村発イノベーション情報交流会」を開催しました(令和6年3月12日)
東海農政局は、農山漁村発イノベーションの更なる広がりを目指して、対面およびオンラインによる交流会を開催しました。
交流会では、自治体や農林水産業者等の経営改善、六次産業化、連携構築、販売戦略・ブランド化を支援する(株)結アソシエイト 代表取締役 松田恭子氏による基調講演、東海地域で農山漁村発イノベーションを実践する事業者によるパネルディスカッションを行いました。
また、地域の繋がりを深めていただくため、閉会後には会場参加者を対象とした名刺交換会を行いました。
- 遠山次長の開会挨拶(左上)
- 基調講演の様子(右上)
- パネルディスカッションの様子1(左下)
- パネルディスカッションの様子2(右下)
1.開催日時および場所
日時
令和6年3月12日(火曜日)13時30分から15時30分
場所
東海農政局 第1会議室(愛知県名古屋市中区三の丸1-2-2)
Cisco Webexによるオンライン参加の併用
2.内容
基調講演「農山漁村における地域資源の活用による価値の創出」
講師:(株)結アソシエイト代表取締役松田恭子氏
(概要)農山漁村発イノベーション事業の方向性を決めるための4つの視点についてお話しいただきました。
- 視点(1)「知りたい、学びたいという気持ちを大切に」
普段の習慣や暮らしの中にある異文化体験を見いだし、知る・学ぶ・楽しむ体験やサービスを提供する。(例:収穫体験、農家民宿)
- 視点(2)「品質や機能性は、どんな文脈でとらえられるか」
論文やモニター試験等、品質・機能性のエビデンスをマーケティングに活用する。
- 視点(3)「ストーリーを繋げるためのコーディネート」
地域資源の背景にある歴史・文化、そのストーリーを最大限に活かす。(例:歴史映画とのコラボレーション)
- 視点(4)「スペックを繋げるためのコーディネート」
需要者が求めているものと供給者が提供できるものを繋ぐ。
パネルディスカッション
モデレータ
地域文化創造研究所 所長 横山 順子 氏
テーマ
- 事業に取り組むきっかけと原動力。
- 農山漁村発イノベーション事業に取り組むうえで、一番大変だったこと。
- 突破するきっかけとなったこと。
- パネリストに聞いてみたいこと。
- 現在の取り組みを、今後どのような形にしていきたいか。
- 5年、10年先のビジョンについて。
パネリスト発言要旨
(株)DAI専務取締役 中島 望氏
~コミュニケーションの大切さと地域貢献~
農福連携により、地域の特産品を栽培し加工しています。自社の強みと弱みを分析し、弱点を地域の事業者との連携で克服しました。
地域で誰とコミュニケーションを取るかは非常に重要です。行政やJAなどの相談窓口を上手に活用すれば、適切な相手を見つけることができます。
その点も踏まえ、何事も相談することの重要性を感じています。
かつては自分たちの作りたいものを追求していましたが、市場のニーズに応えなければ売れないという現実を学びました。
また、地域資源を活用した商品を提供し続けることで、地域貢献に繋がると思っています。
今回のパネラーの皆様との対話から、障がいを持つ者がインバウンドを利用して海外に何かを発信できる可能性に期待しています。
(株)田原観光情報サービスセンター 道の駅田原めっくんはうす 統括駅長 長神 利行氏
~成功のカギは良質な商品を作ること~
道の駅めっくんはうすでは加工品を製造し販売しています。
地域資源の6次産業化を進めていく過程で、時代のニーズに合わせた商品開発、製造ロット、賞味期限など、多くの課題に直面しました。しかし、テストマーケティングを行える道の駅の利点を活かすことで、これらの課題を克服し成功を収めました。
成功の鍵は、市場に受け入れられる良質な商品を作ることです。
道の駅では「地域の皆さんが主役です」というスローガンを掲げており、地域との連携を重視し、困難に直面した際には常に地域の皆さんから支援を受けてきました。
現在は事業を通じての人材育成にも注力しています。
また、農泊事業にも力を入れており、旅行者に地域を知ってもらい、愛着を持ってもらうことで、地域産品の販売促進に繋がると考えています。
農泊に関してはインバウンド需要に対応した取組が必要だと感じています。そのためには県境を越えた連携ができればと思っています。
(株)プロジェクトラボ プロデューサー 東山 さおり氏
~「田舎価値」の訴求~
私たちは地域アドバイザーとして活動する会社で、日本酒を原料としたジンの商品化や、地域特有の日本酒と特産品を用いたボタニカル商品の開発を行っています。
伝統ある酒蔵は保守的な傾向があり、当初は新しい試みに対して壁を感じました。また、販売先の確保も苦慮しましたが、地道な努力と実績を積み上げ、販売先や酒蔵とも多くの話し合いを通じて、徐々に理解を得ていくことができました。
こういった商品はブランディング次第で評価が分かれるので、そこを大切にしてきました。
壁を突破するには自分と他人を信じることです。夢であったものが形となった時、それが自信となり、さらに高いステージへと進むことができると実感しました。
また、販売先を何度も訪問し認知されることで、更なる出会いが増え、新たなチャンスが生まれました。
「田舎価値」とは、インバウンド対策にも重要な要素です。この価値をどのように市場に訴求していくかが鍵となります。
情報提供
令和6年度農山漁村振興交付金のうち農山漁村発イノベーション対策事業(PDF : 1,698KB)
参考
お問合せ先
東海農政局農村振興部都市農村交流課
担当者:農山漁村発イノベーション(6次産業化)担当
代表:052-201-7271(内線2528、2519)
ダイヤルイン:052-223-4630