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「青蓮寺用水地区」の経緯国営総合農地開発事業「青蓮寺地区」の実施(昭和43年度から昭和60年度)本地区は、三重県の西部に位置し、東に木津川、西に名張川に挟まれた南北に長い丘陵地に谷地田が複雑に入り組んだ地域で、農業用用排水施設は整備されておらず、常習干ばつ地帯となっていました。このため、水田の単作とわずかな畑作の営農にとどまり、耕地面積は狭小で農業収入も低い経営状況となっていました。 本事業では、青蓮寺川に建設された青蓮寺ダム(多目的)に用水源を求め、用水路を整備し、農地造成を併せ水田の区画整理を行うとともに畑地かんがいを実施し、経営規模の拡大及び農業経営の改善・安定を図りました。 なお、受益地内では、良食味米ブランド「伊賀米」を中心とした水稲作に加え、開畑地ではぶどう等の果樹、たまねぎ等の野菜、茶など多様な農産物の生産が行われています。 (事業内容) 取水施設1箇所、畑灌施設525ヘクタール、開畑工525ヘクタール、管理施設一式 幹線水路18.6キロメートル、排水路37.8キロメートル、土壌改良525ヘクタール 支線水路20.3キロメートル、幹線道路12.0キロメートル、砂防施設72箇所 揚水機場26箇所、支線道路29.9キロメートル、区画整理270ヘクタール 青蓮寺地区の幹線用水路の施設状況 |
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本地区の幹線用水路は、事業完了後約30年が経過、事業初頭に造成された施設に至っては約40年が経過し、周辺環境の変化、劣化の進行により、これまで56件(平成27年3月末現在)の漏水事故が発生していました。特に、直近5ヶ年では幹線用水路(用水管)で25件に及んでおり、二次被害や地域住民等への第三者被害、断水による営農への影響、維持管理における支障が生じていたため、その事故及び老朽化への対応が急務となっていました。
過去の漏水事故の状況
国営施設応急対策事業「青蓮寺用水地区」の実施(平成26から令和3年度)本地区の幹線水路は、原因究明等調査及び施設機能診断の結果、漏水事故発生時の二次被害、第三者被害、近年の事故頻発の状況を踏まえ、国営施設応急対策事業により幹線用水路の補修・補強対策を実施し、施設の維持管理の費用と労力の軽減及び農業用水の安定供給を図りました。 |
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木曽川水系土地改良調査管理事務所企画課
電話:052-761-3191